メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

SUNDAY LIBRARY

白河桃子・評『ヴェニスに死す』『女性のいない民主主義』

◆『ヴェニスに死す』トオマス・マン/著(岩波文庫/税別520円)

◆『女性のいない民主主義』前田健太郎・著(岩波新書/税別820円)

 世界中でパンデミックと闘い家に籠もる人を癒やすために、観客のいない歌舞伎、オペラ、ブロードウェイミュージカルの傑作がフルサイズでネット配信されている。その中に、イタリアのオペラ歌手がフィレンツェで歌う映像があった。誰もいない街の映像とともにアメイジング・グレイスが響く。美しくて恐ろしい。欧州の石造りの街並みは、過去の感染症との闘いの歴史を刻んでいる。

 ヴィスコンティの映画化であまりに有名なトオマス・マン『ヴェニスに死す』(実吉捷郎(さねよしはやお)訳)が感染症小説でもあるのを思い出し、古い文庫本を手に取ってみた。主人公は保養に訪れたヴェニスで美しい少年に惹(ひ)かれるが、その間にもコレラが街に迫る。崩壊の気配を身近に感じながらも、街を去ることができない主人公は、都市に立て籠もる私たちに似ている。

この記事は有料記事です。

残り1055文字(全文1473文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. ORICON NEWS 関ジャニ∞ 安田章大の写真集発売が決定 脳腫瘍の闘病中の写真も収録「僕に触れてみて」

  2. アップルがアプリストアから「フォートナイト」削除 手数料巡り「バトル」激化

  3. 「びっくりした」 おぎやはぎの小木さんが初期の腎細胞がんで一時休養を発表

  4. 犬の散歩中、男性はねられ死亡 運転の大学生「LINE来たのでスマホを」

  5. 東京・足立の住宅に500人分の人骨 標本業者が放置か

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです