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スミレの香り

/292 馳星周 画 田中靖夫

 わたしは牧場主の言葉に甘え、キャンピングカーを放牧地の出入り口の脇に停(と)めて、そこで寝泊まりしていた。

 夜はもちろん、昼間も静謐(せいひつ)で、聞こえるのは風の音だけだ。晴れた夜には、目もくらむような星空に感嘆する。

 食料を買い出しに行ったり、たまに人恋しくなって飲み屋に顔を出すとき以外は、だれにも会うこともなく、カムイとわたしだけでこの放牧地を独占している。

 雪原を駆けていたカムイが急に走る方角を変えた。どうやら、エゾリスかなにかを見つけたらしい。

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