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社説

コロナと日韓関係 自然体で協力を進めたい

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 隣国だからこその協力を久しぶりに見ることができた。

 インドの病院で急性白血病と診断された5歳の韓国人少女が、日韓両国の連係プレーによって東京経由で帰国した。

 新型コロナウイルスの感染拡大で韓国行きの航空便がなくなり困っていた。その時に、現地の日本大使館が動いて日本航空の臨時便に座席を確保した。

 ソウルに着いたのは、韓国でも「こどもの日」の休日である5日だった。韓国の康京和(カンギョンファ)外相は茂木敏充外相に謝意を伝え、菅義偉官房長官も「日韓協力の良い例だ」と評価した。

 海外在留の帰国希望者への対応には各国とも頭を痛めている。インド以外の国からの帰国便でも、日韓の相乗りは多いという。

 コロナ対策でも両国には共通点がある。どちらも、欧米のような強制的都市封鎖を行っていない。社会的距離の確保など国民の意識を高める防疫が基本だ。

 韓国は徹底したPCR検査と隔離によって感染拡大を封じ込め、日本に先んじて軽症者用の一時滞在施設の活用を始めた。新たな感染確認は大きく減り、外出制限を緩和するまでになった。

 ただ自粛疲れの影響で、制限緩和後も求められる予防策を忘れてしまう人が少なくないという。ナイトクラブでの集団感染が新たに発生し、せっかく決まった学校の授業再開スケジュールも再調整を余儀なくされた。

 国によって事情の異なる点もあるが、韓国が経験した感染抑え込みと制限緩和の難しさは日本の参考になる。感染拡大の第2波に備えるための検査態勢拡充や軽症者向け施設の円滑な運用では、韓国から多くを学べるはずだ。

 ところが現実には、日韓両政府間の意思疎通は目詰まり状態にある。不透明な北朝鮮情勢への対応という安全保障面での連携にも不安を持たれるほどだ。

 元徴用工の問題などで積み重なった相互不信にとらわれ、身動きできないのだ。もちろん元徴用工の訴訟では、韓国側に前向きな措置を求め続ける必要があろう。

 一方でコロナ対策は政治的対立と切り離して考えねばならない。国民の生命を守ることは最優先の政策課題である。

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