脳活動を画像化、自ら「操縦」 注目のニューロフィードバック法
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画像化された自らの脳の状態を観察しながら「操縦」することで脳の機能を変えられる「ニューロフィードバック法」(NF法)が注目を集めている。精神疾患の治療法として期待されると共に、精神疾患を「脳の異常」として捉え直す動きにもつながっている。
NF法のやり方はこうだ。被験者の脳の活動を計測し、活動量を示す脳波などの画像をリアルタイムで見せる。被験者は画像を見ながら、望ましい方向に近づけようと試行錯誤する。何かを考えたり念じたり、思い出したり、うまくいくコツは人によりさまざまだという。脳の活動の操作は難しそうだが、研究に取り組む国際電気通信基礎技術研究所(ATR、京都府精華町)の川人(かわと)光男・脳情報通信総合研究所長は「かなりの人がすぐできるようになる」と話す。
NF法は1960年代に始まり、ドイツなどでは注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療法として公的医療保険が適用される。効き目のある治療だと思い込むことで効果が出る「プラセボ効果」だという声もあり広がりは限定的だったが、近年再び注目されだした。要因の一つが、ATRが開発した、脳の活動パターンを特定の状態に定着させる方法だ。2018年には、ヘビなどへの恐怖を和らげる実験に成功したと論文発表した。
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