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郵送より遅い? 10万円給付「オンライン申請」の本末転倒

マイナンバーの暗証番号の設定に来る人が多く、「4時間待ち」を知らせる紙を持つ区役所職員=福岡市東区役所で2020年5月8日午後2時56分、平塚雄太撮影

 1人一律10万円の特別定額給付金のオンライン申請が今月1日から一部自治体で始まった。窓口には申請に必要なマイナンバーカードの受け取りや暗証番号の問い合わせに市民が殺到。申請手続きをする政府のサイト「マイナポータル」もつながりにくい状態が続いている。しかし、実はアクセスできても早く給付金がもらえる保証はない。オンラインなのは申請だけで、後は自治体職員による手作業のため、郵送による申請より時間がかかる可能性があるという。なぜ、そんなちぐはぐなことになっているのか。【塩田彩/統合デジタル取材センター】

 特別定額給付金は住民基本台帳に載っている人が給付の対象となる。オンライン申請は、マイナポータルにアクセスしてマイナンバーカードをカードリーダーでパソコンに接続し、世帯主の氏名▽生年月日▽住所▽給付を希望する世帯員の氏名――などを記入し、振込口座を証明する書類を添付。カードの署名用電子証明書の暗証番号を入力して完了となる。

 だが、世帯主以外が申請したり振込口座情報を誤って入力したりしても、申請自体はできてしまう。1日からオンラインでの受け付けを開始した自治体には「子供が申請をしてしまった」という相談が寄せられたり、その自治体以外の住民が申請したりするケースがあるという。そのため、情報が正しいかどうかを確認しなければならないのだ。

 11日までのオンライン申請が9000件を超えた東京都品川区では、オンライン申請された情報を職員がダウンロードし、住民基本台帳と照合して、申請者の氏名や生年月日などに誤りがないかを目で確認しているという。二重振り込みを防ぐため、給付を求める世帯員の住民票コードを手で入力し、振込口座情報は添付書類の画像と照合する。銀行名が旧名だったり文字間のスペースがなかったりすることも多く、一つ一つ修正しているという。確認作業には2人1組で計8~10人をあてているが、処理できるのは週1000件程度だという。臨機応変の判断が求められるため、誰もができる作業ではなく、人数を増やすのは難しい。

 一方、21日から申請書を発送する予定の郵送申請では、紙の申請書に書かれた口座情報を手入力する必要はあるが、作業自体は単純なため、1日あたり約60人の職員を投入して週2万…

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塩田彩

大阪府出身。2009年入社。前橋支局、生活報道部を経て19年5月より統合デジタル取材センター。障害福祉分野を継続的に取材しています。好物は児童文学。

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