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「休業中に客流れるのでは」要請対象外で疑心暗鬼 営業再開決めた美容師の苦悩

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マスクを着用して接客する浜本恭成さん。右下の白いボトルは消毒スプレー=横浜市神奈川区で2020年5月8日、洪玟香撮影
マスクを着用して接客する浜本恭成さん。右下の白いボトルは消毒スプレー=横浜市神奈川区で2020年5月8日、洪玟香撮影

 新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言で、理容・美容業界が苦境に立たされている。外出自粛要請で客が激減する一方で休業要請の対象外となり、多くの自治体で協力金などの支給がないためだ。休業か、営業か。収束の時期も見通せないなか、制度の網から漏れた美容師らは難しい判断を迫られている。【洪玟香】

休業中はウーバーイーツの配達員に

 こぢんまりとした店内に、33日ぶりにはさみの音が響く。今月8日、営業を再開して初めての客を迎えた横浜市神奈川区の美容室「calling(コーリング)」。経営者で美容師の浜本恭成(やすなり)さん(29)と、客として来た友人の久々の会話は弾み、話題は休業中の過ごし方になった。

 「ヤスさん、これまで何していたの」。休業中のことを聞かれた浜本さんは、雷が鳴った土砂降りの日に料理配達サービス・ウーバーイーツの宅配をしたことを明かした。「自分は何しているんだろうと思ったよ」。やむにやまれず手がけた副業での災難を自虐的に話すと、店内は笑い声で包まれた。

 営業再開には苦悩と葛藤があった。濃厚接触を前提とするサービスは、客から感染する不安と、逆に自分が客にうつしてしまう不安から逃れられない。店内に消毒スプレーを置き、自身はマスクをしても、必ず予防できるとは言い切れない。さらに、インターネット上で「自粛警察」と呼ばれる人々もいるように、営業すること自体が非難される恐れもある。

 それでも再開に踏み切ったのは、生きていくために他ならない。休業中も店の家賃約7万円のほか生活費が必要で、貯金の取り崩しを余儀なくされた。ウーバーイーツで1日8時間、自転車をこぐのも体力的に厳しい。「休業を続けて、生活が苦しくなって自殺してしまう可能…

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