コロナ対策切り札「パルスオキシメーター」 原理開発は日本人技術者
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新型コロナウイルスの感染拡大で、重症化の目安となる血液中の酸素濃度を、採血なしで把握できる装置「パルスオキシメーター」が改めて注目を集めている。今から50年近く前にこの装置の原理を開発したのは、4月18日に84歳で亡くなった「日本光電工業」(東京都)の技術者、青柳卓雄さんだ。本人の文章や関係者への取材から、生涯をかけて研究開発に取り組んだ青柳さんの姿に迫った。
50年前に原理発見 挟むだけで酸素飽和度測定
パルスオキシメーターは、血液中の色素「ヘモグロビン」がどの程度酸素と結びついているかを示す「酸素飽和度」を測る装置だ。ヘモグロビンは酸素と結びつくと鮮やかな赤色、結びついていないと暗い赤色になる。色によって光の吸収のしやすさが変わることを利用して、酸素飽和度を算出する。現在の装置は、洗濯ばさみのような機器で指を挟み、一方から波長の異なる2種類の光を当て、もう一方にあるセンサーで吸収されずに指を通り抜けた光を解析する。
青柳さんは新潟大工学部を卒業後、島津製作所(京都市)に入社。1971年に医療機器の開発をする日本光電に移った。心臓から送り出される血液の量を光を使って測る機器の改良に取り組む中で、測定データの一部を利用することで酸素飽和度を把握できることに気付いた。「こんなうまい話がこんな手近なところにあるとは信じ難いことだった」(学会誌掲載の青柳さんの文章より)。72年、パルスオキシメーターの基本原理の発見だった。
早速、耳に装着するタイプの装置を試作していたとき、創業者の荻野義夫社長(当時)が、青柳さんが…
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