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今週の気持ち

今週の気持ちは「新幹線に叫ぶ」

 「女・男の気持ち」(2020年5月8日~13日、東京・大阪・西部3本社版計16本)から選んだ「今週の気持ち」は、東京本社版11日掲載の投稿です。

  ◆  ◆

<今週の気持ち>

新幹線に叫ぶ 岐阜県大垣市・伊藤優美子さん(パート・65歳)

 ゴーッ、ゴーッ。遠くに連れていってくれるような気がして、ワクワクする好きな音だ。職場の近くに、新幹線が東西に行き来するのを見わたせるお気に入りの場所がある。息子の住む東京に向かう新幹線を見かけると、思いを運んでほしくて、つい「元気で頑張れ」と叫んでしまう。

 18年前の春、息子は大学進学のため東京での1人暮らしを始めた。当時の私は仕事と家事で余裕のない毎日を送っていて、「男の子だから大丈夫だろう」と勝手に思い込んでいた。

 そのうち、用事もないのに毎日電話してくるようになった。不思議に思っていたが、今考えると息子はホームシックになっていたのだ。その寂しさに気づいてあげられなかった。あのときどうして言わなかったのだろう。「いつでも帰っておいで」と。電話の向こうで子どもが涙をこらえていたことがわからない母親だった。

 息子は徐々に都会での生活に慣れ、就職し、結婚して親となり、ついに上京してからの年月が親元で暮らした日々とほとんど同じになった。成長した姿を誇らしく思うと同時に、息子を愛してくれる人がいる喜びも感じる。

 楽しいこともつらいこともいっぱいあった子育ては無事終了。これからは自分磨きに努めてすてきなおばあちゃんになり、夫と2人の時間を大切に歩んでいきたい。

  ◆  ◆

<担当記者より>

 「男の子だから大丈夫だろう」という思い込み、つい親はしてしまいそうな気がします。初めての1人暮らしで感じる寂しさ、落ち着かなさには男も女もないはずなのに。

 筆者の伊藤さんによると今年の正月、やはり高校卒業後に上京しためいが「当時は寂しくて毎晩家に電話して泣いていた」と思い出話をしたそうです。それに対して長男が「そらそうだわ」と相づちを打つのを聞いて、「もしかしたら息子もホームシックだったのかも」と初めて気づいたとか。

 当時のことを反省しつつ、今も新幹線に思いを乗せて見守り続けるお母さん。そして、故郷の親に心配かけまいと、毎日電話しても弱音を吐くことはぐっとこらえていた息子さん。双方の気持ちが伝わり、胸が熱くなりました。

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