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コロナ下のWHO総会 台湾参加が国際協調の道

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 新型コロナウイルスの世界的感染拡大が続く中、世界保健機関(WHO)の年次総会が18日からテレビ会議方式で開かれる。焦点の一つが中国の反対で実現が危ぶまれる台湾のオブザーバー参加だ。

 感染症は人類共通の課題だ。素早い初期対応でコロナ封じ込めに成功した台湾の経験は国際社会が共有する価値がある。日米欧など多くの国も参加を支持している。対コロナの国際協調を重視するなら中国は参加を容認すべきだ。

 台湾では世界に先駆けてプロ野球が開幕し、学校生活も正常化した。累計の感染者は400人台、死者も1桁にとどまっている。

 2003年のSARS(重症急性呼吸器症候群)禍で70人以上が死亡した教訓から敏感に反応し、昨年末に武漢で肺炎発生が伝えられるとすぐに水際対策を徹底した。ITを駆使したマスク供給や感染者追跡も効果を上げた。

 台湾は09年から16年までオブザーバー参加していたが、17年から蔡英文総統が「一つの中国」を認めないことを理由に中国が反対し、不参加が続いている。

 中国は米国がウイルスの発生源追究などを政治問題化し、国際協調を妨げていると批判する。それなら中国も台湾の参加を政治問題化して国際協調の足並みを乱すべきではあるまい。

 1971年の国連決議で中華人民共和国が中国の代表と認められた。台湾は国連を脱退し、WHOなどの国連機関からも追われた。しかし、中国が台湾の利益を代表すると決まったわけではない。

 台湾の民主化は台湾人意識を強めた。昨年の香港デモで中国が台湾との統一のために打ち出した「1国2制度」の機能不全が明確になり、対中不信が高まっている。

 中国に融和的とされてきた最大野党・国民党の江啓臣主席もWHO参加を求め、中国が国際協力を妨害していると批判している。

 20日には蔡総統の2期目の任期が始まる。習近平政権は蔡政権への外交、軍事的圧力を強めてきたが、台湾の反発を高めるだけだった。コロナ禍を機にこれまでの台湾政策を見直してはどうか。

 発生初期の中国の情報統制強化などに対する世界的批判も高まっている。国際協調を優先することが不信を取り除く道だ。

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