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コロナで革新につながる変化が起きている ピーター・F・ドラッカー経営大学院教授 山脇秀樹さん

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ピーター・F・ドラッカー経営大学院の山脇秀樹教授=米カリフォルニア州クレアモントで2019年3月27日、長野宏美撮影
ピーター・F・ドラッカー経営大学院の山脇秀樹教授=米カリフォルニア州クレアモントで2019年3月27日、長野宏美撮影

 新型コロナウイルスの世界的な感染拡大は日常生活に大きな変化を及ぼしている。欧米のビジネススクール初の日本人学長を務めた米カリフォルニア州のピーター・F・ドラッカー経営大学院の山脇秀樹教授(67)は「イノベーション(革新)を起こす機会ととらえよう」と話す。【長野宏美】

オンライン授業の利点を発見

 ――ドラッカー経営大学院ではどのような影響が出ていますか。

 ◆カリフォルニア州は3月19日にロックダウン(都市封鎖)になり、大学からの通知で1週間以内に全部遠隔授業になりました。基本的には自宅からウェブ会議システムZoomを使って、これまでと同じ時間にオンラインで授業をしています。ドラッカーには留学生が30%おり、ほとんどが帰国したと思います。彼らは私の授業も日本やスイスから受けています。

 ――教室と比べ、生徒とのやり取りはどうですか。

 ◆オンラインはだめだろうと思ってこれまでほとんどやっていなかったのですが、いくつかわかったことがあります。まず学生の集中できる時間が教室より短い。だから(能動的に参加する)アクティブ・ラーニング方式が向いていると思います。Zoomにはグループに分かれてディスカッションできる機能があるので、私が15分話したら学生同士で話すなど、たえずあきさせないようにしています。それと、思ってもみないことでしたが、教室では発言していなかった2人の生徒が発言するようになりました。シャイな人は機械の挙手機能を使う方が手を挙げやすいのかもしれません。

 ――ビジネススクールは欧米企業の採用や昇進などで重視されるMBA(経営学修士)を取得できる専門職大学院で、討論が重要なのでオンラインは難しいと思っていました。

 ◆1科目はオンラインになってから始めたのですが、会ったことがない人でも2回目くらいから打ち解けました。コロナの影響で大きな環境の変化があったので、今まで思いもつかなかったことを考える機会になっています。学生からは感染症と共に生きる社会を念頭に、疫病の発生場所を察知するアプリ開発などのプロジェクトが出てきています。ビジネススクールなので新しい世界のビジネスプロジェクトを考えるのですが、今は新しい世界がライブの体験として起きている状況です。

「既に起こった未来」に気づく

 ――「有事」は今までと違うイノベーションが起きやすいのでしょうか。

 ◆経営学者ピーター・ドラッカーは「既に起こった未来」という言葉をよく使いましたが、イノベーションにつながる変化が今まさに起きています。変化の兆しに気づき、新しい機会として利用…

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