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「政治の人事介入を正当化」 松尾元検事総長ら、検察庁法改正案に反対意見書

検察庁法改正案に反対する意見書を提出後、記者会見する松尾邦弘・元検事総長(手前)。奥は清水勇男・元最高検検事=東京都千代田区で2020年5月15日午後3時37分、宮間俊樹撮影

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 松尾邦弘元検事総長(77)ら検察OBが15日、検事総長や検事長らの定年延長を可能にする検察庁法改正案に反対する意見書を法務省に提出した。「検察の人事に政治権力が介入することを正当化する」と批判し、検察幹部の定年延長規定を撤回するよう求めた。元検察トップが政府提出法案への反対を公言するのは極めて異例。松尾氏は意見書を提出後、東京都内で記者会見し、「検察庁のあるべき姿に重大な影響を与える懸念がある」と述べた。

 松尾氏らは意見書で、これまで政治は検察官の人事に介入しないという慣習を守ってきたとし「法改正は政権の意に沿わない検察の動きを封じ込め、検察の力をそぐことを意図している」と指摘した。

 検察が人事権を政権に握られ、起訴や不起訴の判断に干渉されるようなことがあれば「検察は国民の信託に応えられない」と訴え、改正案に強く反対。黒川弘務東京高検検事長の定年延長を巡り、検察官にも国家公務員法の定年延長規定が適用されるとした解釈変更についても「検察庁法があるのに、検察官も国家公務員だから国公法を適用するという解釈は成り立たない。法改正せずに解釈変更したのは三権分立の否定にもつながりかねない危険性を含んでいる」と指摘した。

 意見書には松尾氏のほか、元東京高検検事長の村山弘義氏(83)や元大阪高検検事長の杉原弘泰氏(81)、元仙台高検検事長の平田胤明氏(95)、元法務省官房長の堀田力氏(86)ら、1976年に田中角栄元首相を逮捕したロッキード事件の捜査に関わった検察OBら14人が名を連ねた。

 松尾氏はロッキード事件で贈賄側幹部の取り調べを担当。法務事務次官や東京高検検事長などを経て、2004年6月~06年6月に検事総長を務めた。

 改正案は検察官の定年を63歳から65歳に引き上げ、検事長ら幹部は63歳でポストを退き一般の検事になる役職定年の規定を導入する。ただ、内閣の判断で検事総長や検事長の役職定年を最長3年延長できる特例がある。この特例を巡って「恣意(しい)的な人事が可能になる」とツイッター上で著名人を含めて抗議の投稿が相次いでいる。【遠山和宏、巽賢司】

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