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難事件があるから「定年延長が必要」? 金塊密輸など列挙、森法相の答弁迷走

衆院内閣委員会で国民民主党の後藤祐一氏から検察庁法改正案をめぐる質問を受ける森雅子法相=国会内で2020年5月15日午後3時9分、竹内幹撮影

 高検検事長らの定年延長を特例的に可能とする検察庁法改正案を巡って激しい論戦が行われた15日の衆院内閣委員会。森雅子法相は「定年延長が必要な理由」を追及され、法務省が選ぶ「複雑困難事件10選」を挙げる一幕があった。捜査が難しい事件を具体的に挙げることで定年延長の特例規定への理解を得る狙いがあったとみられる。ところが森氏の答弁では、10件の事件を通じてなぜ定年延長が必要なのかを明確に示せず、野党側もあきれ顔。国会の議論はますます混迷し、論戦の先行きは「複雑困難」さを増している。

 この日の審議で、立憲民主党などの統一会派の後藤祐一氏は、ここ数年の国際的組織犯罪とサイバー犯罪のうち「最も複雑困難化した」と思われる事案で「捜査・公判中に検事総長、次長検事、検事長、検事正が異動したケースがあると思う。その場合に業務の継続的遂行に重大な障害が生じたことはあるか」と質問した。検察幹部が交代しても捜査や裁判に影響がないことをあぶり出すのを狙った質問だった。

 しかし、森氏は「『最も複雑困難化した』と思われる事案であるかどうかを明らかにすることは、捜査機関の具体的な活動内容を推知させるものであって、治安への影響の観点から難しい」と前置き。そのうえで突然、具体的な事件名を列挙した。

 国際的組織犯罪として挙げたのは5件。

 ①フィリピンに拠点を置いた特殊詐欺事件(2020年起訴)

 ②韓国籍の被告人による韓国からの金塊3キロ密輸事件(18年起訴)

 ③北海道・松前小島に着岸した北朝鮮の船長による発電機などの盗難事件(17年起訴)

 ④韓国人の被告人が共犯者と共謀し、韓国から金塊30キロを輸入した事件(同)

 ⑤横浜市の韓国総領事館に排せつ物が投げ込まれた事件(16年起訴)

 森氏はさらにサイバー犯罪として、IDを不正取得してネットショッピング用のポイントを盗む電子計算機使用詐欺事件(19年起訴)▽ウェブサイトに仮想通貨の獲得手段「マイニング」を設けた不正指令電磁的記録保管事件(18年起訴)▽仮想通貨・ビットコインの取引所「マウント・ゴックス」から巨額資金が消失した私電磁的記録不正作出・同供用事件(15年起訴)▽他人のIDを不正取得するため遠隔操作ウイルスをメールで送った不正指令電磁的記録供用事件(14年逮捕)▽ウイルスに感染したパソコンを遠隔操作した偽計業務妨害などの事件(13年以降、順次起訴)――の5件を挙げた。

 後藤氏は具体的な事件名の公表を求めたわけではなかったため、「事件名を示せとまでは言わなかった」と戸惑いを見せつつ、「これらの事…

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