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社説

プーチン支配20年 「次の時代」が見通せない

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 民主主義を掲げる国で、一人の指導者が30年以上にわたって君臨し続けることはあり得るだろうか。ロシアのプーチン大統領はそれを目指している。

 通算4期目のプーチン氏は現在67歳。2024年に任期満了を迎えるが、憲法を改正することによって退任せず、さらに2期12年の続投をもくろんでいる。83歳まで国政のトップに居続けるための改憲は、事実上の終身大統領制の導入である。

 47歳の若さで大統領に就任したのは20年前のことだ。ロシアは東西冷戦に敗れた後遺症を引きずり、経済も政治も混乱していた。プーチン氏は徹底した上意下達を意味する「権力の垂直化」を標語に秩序回復を図った。

 当初は原子力潜水艦沈没や首都の劇場占拠事件など数々の悲惨な事件やテロ攻撃に悩まされた。

 だが、自身の出身母体である治安機関を駆使し、自分に従わない政商らを逮捕・投獄するなどした。彼らが経営する石油やメディアなどの企業を次々と国有化し、その結果、秩序と安定、豊かさを国にもたらした。

 では世界の中ではどうか。欧米への対抗心をあおって国内の支持を集め、14年にウクライナのクリミア半島を自国領に編入した。武力を背景にした国際秩序の変更は許されない。欧米諸国との亀裂は決定的になった。

 それでも7~8割の高い支持率を維持できたのは、国を安定させたことが大きい。

 だが、ここに来て新型コロナウイルス感染の封じ込めに失敗し、プーチン体制にほころびが広がっている。国内経済も石油依存から脱却できず、油価急落の直撃も受けている。

 支持率は過去最低の59%まで低下し、世論調査では、24年以降もプーチン氏が続投することへの賛否も割れている。改憲のための全国投票は、コロナ禍で実施のめどすら立たない。

 プーチン1強体制が築かれたがゆえに今後、どう権力の移行が進むのかは全く見えない。

 ロシアの安定は、国際社会にとっても重要だ。単なるプーチン氏の続投だけではなく、次世代へのバトンタッチの道筋を描く責任がロシアにはある。

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