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所変われば、事情も変わる。政権の方針や制度、歴史、慣習、地理、人々の志向の違いが、各国の経済や社会に特徴を生み出している。毎月テーマを変えながら、海外の現場を歩き、日本の実情を見つめ直していく。

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縦割り打破、韓流快挙

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 ハイテク製品、サッカー、そしてコンテンツ輸出。さまざまな分野でライバル関係にある日本と韓国だが、今年の米アカデミー賞は、史上初めて韓国作品が作品賞に選ばれた。快挙を支えた韓国政府の戦略とは。

韓国 米アカデミー作品賞

 今年2月9日、米アカデミー賞授賞式でポン・ジュノ監督の韓国映画「パラサイト 半地下の家族」が最高峰の作品賞に選ばれた。米作品の賞レースという性格が強かったアカデミー賞で、非英語作品として初の快挙だ。

 その約4カ月前の昨年10月末、米ハリウッドで映画製作者や評論家約600人を集めたパーティーが開かれた。主催したのは「韓国コンテンツ振興院」。映画やゲーム産業などの人材育成や海外進出を一手に担う政府機関で、「韓流ブーム」の旗振り役だ。会場ではポン監督の作品を次々と紹介し、同院関係者は「影響力のあるハリウッドの核心メンバー約100人には別途説明をした」と明かす。アカデミー賞受賞は、国を挙げた文化振興…

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