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海洋散骨で見送りたい 船で沖合へ、音楽流れ

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海洋散骨を行う遺族たち=羽田空港沖の東京湾で、吉田航太撮影
海洋散骨を行う遺族たち=羽田空港沖の東京湾で、吉田航太撮影

 <くらしナビ ライフスタイル>

 「終活」への関心の高まりを背景に、弔いの形が多様化している。海に遺骨をまく「海洋散骨」もその一つ。業界団体によると約10年前から増加傾向にあり、選択肢として認知されてきたという。一体どんな見送り方をしているのだろうか。実際の散骨に同行してみた。

 ●袋に入れて海に

 「哲也、バイバーイ。会いたいよ」。羽田空港が間近に見える春の東京湾。洋楽のバラードが流れるクルーズ船の屋上で、約20人が手にした小さな白い袋を海に落とした。水溶性の袋の中身は細かく砕いた遺骨。花や酒をまいて黙とうをささげ、15分ほどでセレモニーは終わった。

 故人は、東京都江戸川区の田辺哲也さん(享年58)。トレーラーでコンテナ配送の仕事をしていたが、1月下旬にトレーラーから転落し、約20日後に脳挫傷で亡くなった。妻の京子さん(54)は突然の別れに「今も実感がない」と話すが、迷わず散骨を選んだ。生前、夫婦で「死んだら遺骨は海にまこう」と話し合っていたからだ。田辺さんに引き継いだ墓はなく、「娘2人に墓守をさせたくない」と新たに作るつもりもなかった。

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