60歳長男は病死、そして母は凍死 希薄だった近隣との絆 8050問題(前編)

  • ブックマーク
  • メール
  • 印刷
困窮する中で亡くなった母子が見つかった木造2階建ての自宅=大阪府泉佐野市で2020年2月5日午後1時22分、村田拓也撮影
困窮する中で亡くなった母子が見つかった木造2階建ての自宅=大阪府泉佐野市で2020年2月5日午後1時22分、村田拓也撮影

 引きこもる中高年の子を高齢の親が養う「8050問題」。こうした家庭が困窮するなどし、親子ともに孤立して死亡したとみられるケースが、毎日新聞の調査で2016~18年の3年間で少なくとも14件起きていたことが分かった。なぜ支援は届かなかったのか。現場を歩いて考えた。【村田拓也】

 大阪府南部の泉佐野市。2018年1月28日午後、住宅街にある木造2階建ての民家で、この家に住む母親(82)と長男(60)が倒れていると、警察に通報があった。通報したのは、香典返しを渡そうと訪ねた近所の住民。大阪府警によると、2人は1階玄関近くの和室で倒れ、現場で死亡が確認された。玄関は無施錠だったが、侵入の形跡はなかった。

 2人とも長袖、長ズボンを着ており、目立った外傷はなし。布団がかけられた長男のそばで、母親があおむけに倒れていたという。

 司法解剖の結果、2人とも死後数日たっていた。長男は何らかの理由で左太も…

この記事は有料記事です。

残り2414文字(全文2811文字)

あわせて読みたい

ニュース特集