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余録

東京地検特捜部が…

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 東京地検特捜部が法務総裁(現法相)・大橋武夫を詐欺の共謀容疑などで取り調べたのは、占領末期の1951年。気にいらない最高検次長を強引に交代させた法務行政トップに、検察は捜査権を使って対抗した▲特捜部は48年に昭和電工の贈収賄疑獄で、芦田均前首相や福田赳夫大蔵省主計局長(後の首相)ら政官界の大物など計64人を逮捕。吉田茂首相や大橋は「国家あっての検察だ。特捜の横暴は許せん」と憤っていた▲「検事の人事権は総裁にある。嫌なら辞めろ」と迫る大橋に、検事総長ら首脳陣は「検察官は意思に反して異動させられない」と検察庁法の規定を盾に抵抗し、対立は政治問題化した▲いよいよ人事が閣議決定される日の朝、異動を拒んだ最高検次長の木内曽益(つねのり)は検事総長公邸で記者会見した。「(朝鮮戦争の)時局重大の折、辞表を出した。私の闘いは国民の支持を受け、検察官の身分保障も認識されたと思う」▲次は東京地検検事正の更迭を狙う大橋に、検察は詐欺事件の質問書を突きつけ、国会で容疑を説明。特捜部長自ら本人を聴取した。不起訴処分になったが、暮れの内閣改造で無任所大臣に降格され、半年後、閣外に去って以来10年余、入閣できなかった▲大橋が起用した最高検次長は、法務事務次官、東京高検検事長と栄進したが、あと一歩で検事総長になれず政界へ転身。当選後、大阪地検特捜部に公選法違反(買収)で起訴され、有罪となった。69年前の話だが、検察人事に政治が介入した重い教訓である。

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