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3年半たっても大人気の「逃げ恥」再放送 心をつかんだムズキュンの秘密

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「逃げるは恥だが役に立つ」第1話の一場面。森山みくり(新垣結衣、左)は津崎平匡(星野源)に「就職という意味で結婚するのはどうですか?」と提案する (C)TBS
「逃げるは恥だが役に立つ」第1話の一場面。森山みくり(新垣結衣、左)は津崎平匡(星野源)に「就職という意味で結婚するのはどうですか?」と提案する (C)TBS

 新型コロナウイルスの感染拡大でテレビ番組の収録が一斉に中止された影響で、多くのドラマは現在、過去作品の再放送に切り替えられている。2016年秋から放送された人気ドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」も、「ムズキュン!特別編」として未公開カットを加えた再編集バージョンが5月19日(火)午後10時に放送されることが決まり、話題になっている。すでに何度か再放送され、昨年暮れにも多くの地域で全話を2日間で再放送したばかり。それでも人気が衰えない秘密は何なのだろうか? 「社会派ラブコメディー」とも呼ばれる「逃げ恥」の魅力を改めてまとめてみた。(視聴率は全て関東地区、ビデオリサーチ調べ) 【佐々本浩材】

久々にヒットしたラブストーリー

 「逃げ恥」は海野つなみの同名漫画をドラマ化。派遣切りにあったヒロインの森山みくり(新垣結衣)が、ひょんなことから恋愛経験のない独身サラリーマン、津崎平匡(星野源)宅で家事代行人として雇われることに。諸事情から対外的には本当に結婚しているかのように装い、「仕事」として契約結婚をする道を選ぶが、同じ屋根の下で暮らすうち、「夫=雇用主」「妻=従業員」という関係で恋愛感情を持たないはずの2人が、徐々に互いを意識し始めるというラブコメディーだ。

 2016年10~12月に放送され、初回は10.2%だった世帯平均視聴率が回を追うごとに上昇。最終回(第11話)では20.8%を記録した。最近は10%を超えれば合格点、15%を超えればヒットと言われる状況では大ヒットと言える。恋愛ものは当たらないと言われ、フジテレビ系の「月9」(月曜午後9時台のドラマ枠)でも、ラブストーリーが少なくなる中、久々のスマッシュヒットは話題になった。

「恋ダンス」ブーム、逃げ恥ロス

 星野が歌う主題歌「恋」に合わせ、エンディングで出演者が踊る「恋ダンス」は、自身が踊る映像をネットで公開することがブームに。その年末のNHK紅白歌合戦では、出場歌手だった星野の歌唱に合わせ、審査員の新垣が恋ダンスを披露する場面もあった。番組終了後は「逃げ恥ロス」を嘆く声がネット上にあふれ、ち…

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