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緊急事態を生きる

食の流通、見直す機会に 食ジャーナリスト・井出留美さん

食品ロスについて語る井出留美氏=東京都千代田区一ツ橋1の毎日ホールで2019年10月2日、山田茂雄撮影

 外食から家での食事へ。新型コロナウイルスの感染拡大による外出制限や飲食店の営業自粛により、私たちの食行動は大きく変わった。一方、世界では食料の輸出規制の動きも広がり、食料自給率の低い日本への影響も心配だ。食ジャーナリストの井出留美さんは、「食の流通のあり方を考え直す機会に」と訴える。【統合デジタル取材センター/上東麻子】

 ――世界的な感染拡大の影響で世界では食料をめぐる動きはどうなっていますか。

 ◆例えばフィリピンから日本へ輸出されるバナナは、2019年の400万トンから20年は240万トンへと、40%減る見込みであるとタイの報道機関が4月下旬に報じています。フィリピンのバナナ農園や出荷梱包(こんぽう)作業が止まってしまったためといいます。バナナの品薄感はスーパーに行くと感じていたことです。ロシアやウクライナなどでは小麦を、カンボジアは米、タイでは鶏卵を輸出規制しています。感染拡大を受けた生産力の低下や食料価格の上昇を恐れ、自国への供給を優先する狙いもあるでしょう。国連食糧農業機関(FAO)、世界保健機関(WHO)、世界貿易機関(WTO)は4月1日に食料危機の懸念を共同声明で警告しています。

 ――日本への影響はどうでしょうか。

 ◆農林水産省は公式サイトで乳製品、小麦、米、水産加工品などの業界団体の情報を掲載し、「食料品は、十分な供給量・供給態勢を確保している」としています。しかし、日本の食料自給率は37%(2018年度、カロリーベース)で私たちの食は海外に大きく依存しています。国内の農地は減り、担い手も高齢化が進んでいて非常時はとてももろい。短期的には大丈夫だと思いますが、長期的にみると危機感を持たなくてはならないと思います。

 ――具体的にはどのようにしたらいいで…

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上東麻子

1996年毎日新聞入社。佐賀支局、西部本社、毎日小学生新聞、東京本社くらし医療部などをへて2020年から統合デジタル取材センター。障害福祉、精神医療、差別、性暴力、「境界」に関心がある。日本新聞協会賞を受賞したキャンペーン報道「旧優生保護法を問う」取材班。共著に「強制不妊」(毎日新聞出版)。散歩とヨガ、ものづくりが好き。

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