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コロナ不安 カルトに「はまる」心理を読み解く 真宗大谷派・瓜生崇さん

新型コロナウイルスで不安が広がる世の中と、カルトにひかれる心理の共通点を指摘する僧侶、瓜生崇さん=本人提供(2019年撮影)

 新型コロナウイルス感染拡大の不安が拭えない中、カルト教団に傾倒する心理状態が広がることを懸念する僧侶がいる。真宗大谷派・玄照寺(滋賀県東近江市)の住職、瓜生崇さん(46)。ある宗教団体で熱心に活動した過去や、カルトからの脱会支援を続ける中で感じたことをまとめた「なぜ人はカルトに惹(ひ)かれるのか――脱会支援の現場から」(法蔵館)を5月に出版した。いま、世の中の状況を見て何を思うのか聞いた。【聞き手・花澤茂人】

 瓜生崇さん(以下、瓜生) テレビなどのメディアを見ると、「PCR検査をもっと増やすべきだ」とか「安倍政権はだめだ」「中国の初動が問題だ」とか、力強く明確なメッセージを発する人が重用されています。「敵」をはっきりと指摘し、圧倒的な「正しさ」で導いていくという構図を作るのです。人間は先行きが見えなくなった時、「正しい」メッセージにすごくひかれ、依存していきますが、その表れでしょう。「自粛警察」なんていう話も聞きますが、正しいことをして人を救うことで自分の存在意義を確認したいのです。

 カルトにはまる人の心理も同じです。自分がこの先、何が正しいか分からずに迷いながら死んでいくことに耐えられない。ほとんどの人は「今が楽しければ」とか、「お金があれば」「家族が幸せなら」といったところで自分を納得させますが、それができない。そんな中で「あなたの人生、こう生きれば神様に認められる」というような「正しさ」にひかれてしまうのです。

 <瓜生さんは大学1年の時、ある仏教系の宗教団体に入会した。受験に失敗し、滑り止めの大学で不本意な日々を過ごしながら「何のために生きているのか分からない」と悩んでいた時だった。「人生の目的」は、ある宗教体験をして「絶対の幸福」になることだと示された。「自分がずっと疑問に思っていたこと、忘れようとしても胸のどこかに、ずっと息を潜めて自分を揺り動かし続けてきた、人生の課題そのもの」。そう感じたと著書で振り返る>

 瓜生 カルトに熱中するのは、自分で何も決められずにふらふらしているような人だと思われがちですが、そうではありません。むしろすご…

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花澤茂人

1982年、千葉市生まれ。2005年入社。奈良支局、京都支局を経て15年から大阪学芸部。宗教、文化財の取材を担当。初任地だった奈良をこよなく愛し、休日は寺社を巡る。

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