新型コロナウイルスに伴う休校の長期化を受け、政府が検討している「9月入学」について、文部科学省が、入学時期だけを9月に移す案など3案についてシミュレーションしていることが判明した。国際標準より就学年齢が遅れたり、学年構成にひずみ・分断が生じたりするなど、それぞれデメリットがある上、いずれも幅広い社会制度の変更が必要になり実現には多くの課題があることも分かった。今年9月の導入は準備までの時間がないことから見送る。
シミュレーションしたのは、来年9月からの移行を視野に、①4月2日~翌年4月1日生まれという現行学年の枠組みを維持したまま入学時期だけを9月に移す②来年9月の小学校入学者だけを6歳~7歳5カ月に拡大し、再来年9月以降は6~7歳に戻す③来年9月以降は移行期間として1学年の子どもの年齢を1カ月分拡大し、5年かけて6~7歳に戻す――の3案。
①の場合は現在よりも義務教育開始が5カ月先送りとなり、就学年齢が6歳5カ月で固定される。アメリカやドイツ、中国などの主要国の就学年齢は5~6歳で、世界と比べて日本の子どもの学習が遅れることが懸念される。
②の場合、来年9月の小学校の新入生が例年の約1・4倍となる約143万人に増加するため、教員や教室の不足が指摘されている。入試や就職での競争が激化する可能性がある上、再来年4月に入学予定だった子どもの学年は分断される。
③は9月入学移行に伴う就学児の増加を5年間に分散させることで②のデメリットを緩和する案だが、毎年システム改修が必要となるために自治体などの負担が大きくなる欠点がある。
対処すべき課題は他にもある。文科省の所…
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