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来夏の東京は 五輪、歓迎されるのか スポーツライター・小林信也さん

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=長谷川直亮撮影
=長谷川直亮撮影

 東京オリンピック・パラリンピックは本当に開催できるのか――。新型コロナウイルスの感染拡大により、倒産する企業が全国で100社を超えるなど、混乱はとどまるところを知らない。ワクチンや特効薬の開発がいまだ見通せない中、じわじわ広がっているのが、来年夏に予定されている東京五輪への疑念だ。競技や選手事情に詳しいスポーツライターの小林信也さん(63)に聞いた。

コロナ後の世界、開催目的一変

 東京五輪の「1年延期」が決まった少し後の3月下旬、小林さんは五輪代表選手のコーチをしている知人と話をした。メダル確実とされる有力選手だが、「もう練習はやめさせ、実家に帰しました」と言う。それで大丈夫なのかと尋ねたら、「コロナでこんな状況なのに、選手は安心して練習なんかできませんよ」と知人は答えた。

 安倍晋三首相は3月24日、国際オリンピック委員会(IOC)のトーマス・バッハ会長との電話協議で「五輪中止」の回避に成功した後、小池百合子東京都知事と笑顔で「グータッチ」をしたと伝えられている。

 「スポーツ選手であろうとなかろうと、命と健康を守ることは最優先です。目の前にいる選手を本気で思いやる知人のような人なら、こんな時に『何がなんでも金メダルだ』とは言わない。一方、安倍首相らは『五輪は絶対にやる』と高揚した表情で語る。口では『アスリートが第一』なんて言いますが、本当はどこを向いているのか、違和感を覚えてなりません」

 五輪開催に向けた政府の意欲は強いが、世間では疑問が膨らみつつある。一つは追加経費への懸念だ。その額は3000億円にも上るとされる。

 IOCは4月中旬、公式サイトで「安倍首相は費用の負担に合意した」と明かした。政府は「協議した事実はない」と抗議し、文言は削除された。だが小林さんは言う。「関係者は『さすがにI…

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