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余録

世界遺産である古代ギリシャのエピダウロスの遺跡は…

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 世界遺産である古代ギリシャのエピダウロスの遺跡は1万5000人を収容する美しい円形劇場が有名だ。とともにギリシャ人がさまざまな病気の治療に訪れた医神アスクレピオスの神殿のあった場所でもある▲患者がアバトンという聖所で眠ると、夢に神が現れて治療法を告げ、それに従い祭司が治療した。発掘された碑には何十人もの患者の治癒実績が記されていた。なかには神が連れてきたヘビが患部をなめた夢だけで治った患者もいる▲この医神が持つヘビのからみついた杖(つえ)こそ、今日も医療のシンボルとなっているアスクレピオスの杖である。世界保健機関(WHO)のシンボルマークといえばお分かりだろうか。春に地中から現れるヘビは再生と不滅の象徴だった▲もとは人だったアスクレピオスがゼウスに殺されたのは、人間が病気を治す術でお互いに助け合うのをゼウスが嫌ったからという。21世紀、コロナ禍と闘う人類の連帯の絆(きずな)であるはずのWHOもまたゼウスの呪いをかけられたようだ▲新型コロナ発生源の調査や感染拡大の責任、WHOの中国寄り姿勢や台湾の参加問題をめぐり米中対立の闘技場となったWHOである。総会では中国が欧州などの求める発生源の調査受け入れに同意したが、それも感染収束後の話だ▲WHOも初動対応への調査受け入れを表明したものの、台湾のオブザーバー参加は認めなかった。人類の団結が最も求められる場面で、医神もさじを投げるしかない国家エゴや政治家のエゴの病状である。

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