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社説

コロナと不寛容さ 社会の強さ試されている

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 新型コロナウイルスの感染を巡って、他者を排斥するような言動が目につく。

 とりわけ、感染者に対する差別や嫌がらせは深刻だ。自宅に石が投げ込まれる被害も起きた。インターネット上には、個人を特定しようとする書き込みが見られる。

 感染者の周囲にいる人も偏見にさらされている。欧州帰りの京都産業大の学生から感染が広がった際は、大学に脅迫電話がかかり、関係のない学生がアルバイトの出勤を断られた。

 しかし、感染者への差別が続けば、差別を恐れて相談や受診をためらう人が出かねない。結果的に感染拡大を招く懸念がある。

 ウイルスへの不安や恐怖から、感染者を遠ざけようとの意識が生まれるのだろう。自粛生活のストレスによって、差別感情が助長される面もあるという。

 感染した著名人やその所属先が謝罪するケースが相次ぐ。感染者を責めるような空気が、社会に広がっているとすれば心配だ。

 密集を避け、手洗いをしっかり行っていても、感染を避けられない場合がある。仮に注意を欠いた行動があったとしても、人格まで攻撃される理由にはならない。

 一方、自治体の要請に沿って営業時間を短縮している店舗が張り紙で中傷されたり、県外ナンバーの車が傷つけられたりする事態が起きている。市民が自粛を監視するとの意味で「自粛警察」という言葉も生まれた。

 感染への不安に加え、自分は我慢しているのにという不満、和を乱しているとの怒りなどの感情が背景にあるのだろう。だが、他人を私的に制裁するような行為は許されない。

 差別を招きかねないデマも、ネット上で後を絶たない。惑わされないよう冷静に見極め、拡散させない注意が必要だ。

 国や自治体のトップらによる呼びかけは引き続き大切になる。さまざまな機会を捉えて、差別を許さないというメッセージをさらに強く発信しなければならない。

 コロナ対策は他人と距離を空けて行動することを求める。それが心の距離まで隔てることは避けたい。不寛容な振る舞いを控え、人同士のつながりを維持できるか、社会の強さが試されている。

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