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社説

WHOのコロナ決議 米国の積極関与が必要だ

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 世界保健機関(WHO)の年次総会は新型コロナウイルスに各国などがどう対応したかについて、検証を求めることを柱とした決議を全会一致で採択した。

 米国と中国の対立で一時、採択が危ぶまれたことを思えば、全加盟国から支持を取り付けられたことは、国際社会の結束をかろうじて維持したといえる。

 ただ、米国の対応は決議への貢献にほど遠い。テレビ会議方式の総会で、中国の習近平国家主席らが演説したにもかかわらず、トランプ米大統領は参加しなかった。

 採択された決議は、国際機関や加盟国に対して治療薬やワクチンの開発で協力することや、WHOにウイルスの感染経路の解明を続けることなどを求めている。

 欧州連合(EU)やオーストラリアが主導し、最後には中国も提案国に加わった。一方、米国は結局、提案国になることなく、しぶしぶ賛成だけはした形である。

 トランプ氏はWHOを「中国の操り人形」と批判し、テドロス事務局長宛ての書簡で、30日以内に本質的改善がみられなければ資金拠出を恒久的にやめ、脱退も検討すると警告している。

 米国はすでにWHOへの資金拠出を一時停止している。脱退をちらつかせて、強引に自国の主張を通そうとするやり方は、国際社会の反発を招くだけだ。

 米国は本来、ワクチン開発や途上国支援で世界をリードできる国である。大統領選挙を意識したトランプ氏の内向きの発言や、反科学的姿勢が続く限り、米国の国際的威信の低下は避けられない。

 一方、中国の対応にも疑問が残った。決議には、コロナの発生源や感染経路の国際調査について盛り込んだ。ただ、中国は調査開始時期について、「感染収束後」との立場を崩さなかった。これではいつ調査が始まるかわからない。

 また、中国は台湾のオブザーバー参加を認めなかった。新型コロナにうまく対応した台湾の参加は、加盟国の多くが求めていた。年内に再度開かれる総会では、台湾の参加が認められるべきだ。

 新型コロナの世界的感染拡大は、WHO創設以来の危機である。米中対立に巻き込まれ機能不全に陥らないよう、国際社会はWHOを支援する必要がある。

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