ES細胞、国内遅れ 成育研「iPSと両輪に」 治験成功

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 ヒトのES細胞(胚性幹細胞)を用いた国内初の臨床試験に、国立成育医療研究センター(東京)が成功した。ヒトES細胞が米国で開発されてから22年。国内では、iPS細胞(人工多能性幹細胞)を用いた再生医療の臨床試験が続々と進む一方、ES細胞の実用化研究は海外から大きく出遅れてきた。

 米国や中国、英国などでは脊髄(せきずい)損傷や糖尿病、パーキンソン病などの患者を対象に20件以上の臨床試験が行われ、その大半でES細胞が使われている。2019年の文部科学省の審議会資料によると、網膜疾患の場合、iPS細胞を用いるのは日本だけで、試験を行う他6カ国全てがES細胞を使っていた。

 国内で進まなかったのは倫理面の理由からだ。皮膚などの細胞を受精卵のような状態に戻して作るiPS細胞と異なり、ES細胞は受精卵を壊して作製する。iPS細胞に比べてがん化のリスクは格段に低いものの、国内では長く動物を使った基礎研究に限定され、医療への使用を認める指針が施行されたのは14年。医療用のES細胞提供が始まったのは18年のことだ。

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