
新型コロナウイルスによる休校の長期化を受け、生徒らの進級・卒業時期を遅らせ、入学時期を来年から9月に変更する案が急浮上している。政府は6月上旬までに論点や課題を整理する方針だ。ただ大がかりな制度変更が必要になるなどの理由から、拙速だとして反対する意見も根強い。2人の識者に聞いた。
個別教育転換の好機 尾木直樹・教育評論家
9月入学の議論には大前提が二つある。一つは子どもたちの学習機会が失われていることだ。子どもの学ぶ権利は憲法の理念であり、子どもの権利条約にも明記されている。それが4、5月の2カ月間、新型コロナウイルス対策の休校措置ですっぽりと抜け落ちてしまった。
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