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ウーバーちゃうでイーバーイーツ 大阪・茨木の飲食宅配代行じわり浸透

ランチを受け取り配達先へ向かうイーバーイーツの配達員の女性=大阪府茨木市で2020年5月14日午前11時12分、藤井達也撮影

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 新型コロナウイルスの感染拡大の影響で飲食店が苦境に立たされる中、大阪府茨木市内の飲食店経営者らが、スマートフォンで気軽に注文できる飲食宅配代行「ウーバーイーツ」に倣ったシステムを作り奮闘している。「茨木」をもじって「IBAR EATS(イーバーイーツ)」と名付け、4月15日からサービスを開始。注文を受け付けるウェブサイトも自ら作った。府内を対象にした緊急事態宣言は解除されたが、飲食店を取り巻く状況は依然として厳しく、メンバーらは「何とか乗り切りたい」と話している。

カフェレカでランチを受け取るイーバーイーツの配達員の女性(右)=大阪府茨木市で2020年5月14日午前11時11分、藤井達也撮影

和太鼓奏者も配達員に

配達先の茨木市役所にランチを届けるイーバーイーツの配達員の女性(右)=大阪府茨木市で2020年5月14日午前11時25分、藤井達也撮影

 今月14日昼、オランダパンケーキが人気の「カフェレカ」(同市元町1)に、自転車に乗った配達員の吉満舞子さん(29)が笑顔で駆けつけた。オーナーの藤田由美子さん(50)が、注文を受けた日替わりランチを手早くバッグに詰め込む。感染リスクを減らすため、配達員は商品に触らないのが決まりだ。

 和太鼓奏者の吉満さんは、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)で、知人の店が参加していることを知って配達員に。和太鼓を披露するイベントが中止され、教室も開けずに収入がなくなった。吉満さんは「和太鼓の活動はできないけど、地域に貢献したいと思った」と語り、配達先の茨木市役所まで自転車を走らせた。

 カフェレカは3月中旬から客が激減し、4月1日から昼のテークアウトだけにした。4月の売り上げは前年同月比で約7割減。もちろん店内営業を続けたかったが、かつて働いていたシンガポールで、SARS(重症急性呼吸器症候群)が流行し、顔見知りが亡くなったことを思い出して決断した。

 「コロナを侮ってはいけないけど、支払いは待ってくれない。先が見えずに、おかしくなりそうです」。苦しんでいる時、市役所からイーバーイーツへの参加を呼び掛けられた。不安ばかりだが、「今は多くの人に助けられていることが何よりもありがたい」と語る。

2週間でシステム作り上げ

 イーバーイーツは、感染拡大の影響が深刻化し始めた3月末、経営者らが設立した。インターネットに詳しい人や宣伝が得意な人。それぞれが役割分担し、ウェブ会議システム「ZOOM(ズーム)」を使って話し合いを続け、2週間でシステムを作り上げた。

 宣言を受けて府が休業要請を出した翌日の4月15日にはサービスを開始。当初は約10店で始めたが、現在は約30店が参加し、和食や洋食、中華など四つのジャンルから商品を選べる。

 手本にしたウーバーイーツは、米配車大手「ウーバー・テクノロジーズ」が手掛ける料理配達サービスで、インターネット上で飲食店と客、一般の配達員をマッチングさせる仕組みだ。その気軽さから世界中に広がり、日本でも2016年に始まった。

配達に40人参加、注文増え

 イーバーイーツでは、仕事がなくなった参加店舗のアルバイトや支援希望の一般人ら約40人が配達を担っている。感染拡大を契機に急ごしらえで生まれた宅配サービスだが、注文は1日30件ほどあり、増え続けているという。宣言は解除されたが、参加店舗の要望もあり、6月中はサービスを続ける予定だ。

 広報担当の脇本秀史さん(53)は「コロナはいつか収束するが、イーバーの集客力は今後も地域で生かせるはず。形は変わるかもしれないが、飲食店が少ない山間部へのデリバリーなどで、高齢者の生活支援もできるかもしれない」と前向きだ。【田中謙吉】

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