メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

#最後の1年

「歴史変える年」の活動休止 京大野球部主将、バット手に見つめ直す原点

自宅の玄関で素振りする京都大硬式野球部主将の北野嘉一=大阪府茨木市で2020年4月30日午後3時38分、石川裕士撮影

 バットが空気を切り裂く音だけが響く。4月30日、大阪府茨木市の住宅街。京都大硬式野球部主将、北野嘉一(よしかつ、21歳)=農学部4年=は薄暗い自宅玄関で素振りを続けていた。思い描くのはマウンドに立つライバル大学のエースとその球筋。「見えない先のことを考えるのはやめた。きょう一日、やるべきことをやりきる」。鏡でフォームを確かめながらブンと一振りし、額に汗を光らせた。新型コロナウイルスの影響で部活動が休止となって1カ月。扉の向こうには青空が広がり、穏やかな春風が吹いていた。

 北野は2020年を「京大の歴史を変える大きなチャンス」と考えていた。関西学生リーグで、京大は01年春から最下位続きだったが、19年秋季リーグは5勝7敗で4位に食い込み、1982年のリーグ発足以来最高成績を残した。外野手で打線の中軸を担った自身は打率4割5厘を残し、京大から8年ぶりの首位打者に輝いた。

 15年に京大初のプロ野球選手として田中英祐(えいすけ)さん(28)がドラフト2位でロッテに入団(17年に現役引退)して以降、部の士気は上がり、選手層も厚くなった。取り組んできた緻密なデータ分析も実を結んだのが昨秋だった。チーム5勝のうちの3勝を挙げた右腕・原健登(けんと、22歳)=工学部4年=と共に最高学年を迎え、初のリーグ優勝を目標に掲げる。部室隣に十数人収容のウエートトレーニングルームが新設され、サインプレーなどの理解を深める「戦術ミーティング」も毎週行うようにした。歴史を塗り替える準備はできていた。

 そんな日々をコロナ禍が一変させた。計画通りに進んだのは、2月に徳島県阿南市で開いた7…

この記事は有料記事です。

残り2068文字(全文2756文字)

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 関東・東海上空に火球 2日未明、目撃相次ぐ 「爆発音聞こえた」

  2. 東京都で新たに100人以上感染 5月2日以来の3ケタ

  3. 東京アラートって、いったい何? 再び感染増でも発令せず “旧”基準2指標上回る

  4. 日本のコロナ対策は大失敗だったのではないか

  5. コロナ感染止まらぬ新宿・歌舞伎町 区長はすがる思いで大物ホストの携帯を鳴らした

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです