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画家・菊畑茂久馬さん死去 85歳 前衛美術家、「ルーレット」シリーズ

菊畑茂久馬さん=福岡市南区の自宅で2015年8月27日、米本浩二撮影

 戦後を代表する前衛美術家で、1980年代以降は大作の油彩画を手がけた福岡市在住の画家、菊畑茂久馬(きくはた・もくま)さんが21日、肺炎のため死去した。85歳。葬儀は近親者のみで営み、後日、お別れの会を開く。喪主は長男拓馬(たくま)さん。

 長崎市生まれ。福岡県立福岡中央高校を卒業し、56年、独立美術展に初入選した。反芸術を掲げ、57年に福岡で結成された前衛美術集団「九州派」に参加して頭角を現すが、主流派との路線対立で後に脱会。61年に東京・国立近代美術館で開かれたグループ展「現代美術の実験」に、男女に見立てた一対の丸太棒と大量の5円玉を使ったインスタレーション(空間芸術)「奴隷系図(貨幣)」を出品し、一躍、前衛美術のホープとして注目される。

 その後は絵画とオブジェを組み合わせ、日本のポップアートの先駆と目される「ルーレット」シリーズなどを展開した。60年代後半~80年代初めは個展から遠ざかり、オブジェを制作する沈黙の時期が続いたが、83年から再び絵画の発表を始めた。主なシリーズに、青色が基調の「天動説」や「月光」など。叙情に満ち、思索を促す抽象の大作で知られ、88年に北九州市立美術館で初の大規模個展が開かれた。2011年に菊畑芸術の全容を示す回顧展が福岡市美術館と長崎県美術館(長崎市)で開催され、翌年、毎日芸術賞を受けた。15年には世界的美術家、村上隆さんの依頼を受けて東京で個展を開き、新作を発表している。

 11年に世界記憶遺産に認定された福岡県筑豊の絵師、山本作兵衛の炭坑記録画をいち早く評価し、保存に尽力したことでも知られる。

 戦争画や日本の美術史などを題材に、文筆家としても才能を発揮した。94年に著作全集4巻が完結している。

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