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お蚕さんの繭を解くと約1・5キロにもなるという。自然界でこれだけ長い繊維が取れるのは他にはないだろう。糸の太さにもよるが、20個ほどの繭をよれば、1本の長い生糸になる。
その繭も、二つがくっついてしまった玉繭や、汚れや壊れてしまったものは、真綿に使う。お蚕さんは捨てるところがないのだ。
滋賀県米原市の北川茂次郎さん、みゑ子さん夫婦は今日も真綿を引っ張っていた。「加減をしながら引っ張らんと、真綿にムラができるでな。そのために指先に力が入るんや」。そう言った茂次郎さんの指先は、曲がっていた。
強火で2時間ほどゆでた繭を水の中で伸ばし、ほどかれた繭を重ね合わせたものを「角綿」といい、陰干ししてから、夫婦で引っ張る。
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