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社説

抗原・抗体検査 特性踏まえて有効活用を

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 新型コロナウイルスに感染しているかどうかを調べる「抗原検査」が承認された。

 この検査は、ウイルスを構成するたんぱく質の有無を調べる。最大の利点は、10~30分で結果が出ることだ。その場で感染が分かるため、使い勝手がいい。

 感染が疑われる症状がある人はまず医療機関などで抗原検査を受け、「陽性」であれば感染確定とみなす。「陰性」の場合のみ、PCR検査に回す。

 精度はPCR検査より劣るが、現場の負担軽減につながる。

 これまで、感染を知る手段はPCR検査に限られていた。だが、実施体制の整備が追いつかず、必要とする人に速やかな検査を提供できていなかった。

 背景には、窓口となる保健所、検査を受け持つ地方衛生研究所の業務過多がある。検体の運搬にも困難がつきまとう。

 こうした現状を抗原検査で補いながら、流行の第2波に備えて検査体制の拡充を急ぐべきだ。

 検体採取の際に2次感染するリスクが低い唾液を使う方法も研究されている。検査の選択肢を増やす努力を続けてほしい。

 「抗体検査」も導入される。この検査は、過去に感染していたかどうかが分かる。東京、大阪、宮城の3都府県で、計1万人を対象に実施する方針だ。

 抗体を持つ人の割合を知ることで、ウイルスがどの程度社会に広がっているかを推し量れる。

 ただ、検査手法によって精度にばらつきがあるため、データ全体の信頼性が高いとは言えない。抗体の量と再感染リスクの関係についても、未解明な部分がある。

 こうした特性を理解した上で、感染拡大の抑止と社会・経済活動を両立させるための戦略作りに、データを生かせないだろうか。地域や職業による感染状況の違いが分かれば、実情に応じた対策がとりやすくなる。

 日本は他の先進国に比べて感染者も死者も少ない。だが、今回の流行を抑え込めたとしても、コロナとの闘いは長丁場になる。感染を予防するワクチンの実用化も、当分先になる。

 ウイルスと共存するしか道はない。これらの検査をどう有効活用するか、模索してほしい。

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