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渡辺保・評 『三木竹二 兄鷗外と明治の歌舞伎と』=木村妙子・著

『三木竹二 兄鷗外と明治の歌舞伎と』

 (水声文庫・4400円)

 森鷗外の弟で、近代劇評の基礎を築いた三木竹二の評伝である。本名森篤次郎。筆名の「三木」は「森」の解体、「竹二」は「篤」のタケ冠を「竹」に「次男」の「二」である。

 それまでの劇評は「評判記」といわれる形式で、いわば印象批評であり、「批評」ではなく「評判」であった。三木竹二の仕事の重要性は、その「評判」を「批評」にした点にある。具体的にいえば彼はまず戯曲の評をもとにし、その「型(演出)」を検証分析することに「批評」の客観的な論拠を求めた。つまり「科学」にした。しかし一方彼はその描写力によって「批評」を「文学」にしたのである。彼の残した「型の記録」は後世のために正確を期すると同時にそれを読めばたちまちそこに舞台が蘇(よみがえ)るような表現力を持っている。そこに竹二と彼以外の人の書いた「型の記録」の差がある。

 この本にはそういう竹二の仕事の価値が鮮明に描かれているだけでなく、独自な点が三つある。

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