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『裸の天才画家 田中一村』 大野芳著 異才はいかに“発掘”されたか

 <土曜カルチャー>

 栃木県に生まれ、50歳で鹿児島県・奄美大島に移住し、島の自然を描いた孤高の日本画家、田中一村(いっそん)(1908~77年)の評伝。彼を支えた人々の動きをまとめ、無名のまま生涯を閉じた異才が死後、いかにして“発掘”されたのかに迫っている。

 <大勢のひとたちの心を揺さぶった画家の魂は、嵐を巻き起こしたのであろう。ホテルの支配人から放浪の陶芸家、カメラマン、そして地方紙の記者から(鹿児島県)名瀬市民へ、ついには松元(元NHK鹿児島放送局ディレクター)の企画書によって東京にもたらされた。この連環のどれひとつを欠いても、このセンセーションは実現できなかったであろう>

 鮮烈な色彩を駆使し、「クワズイモとソテツ」「アダンの海辺」などの傑作を残した一村。1984年、NHK教育テレビ(現・Eテレ)「日曜美術館」での特集が人気に火を付けるきっかけになったのは間違いないが、本書はその前段となる立役者にも光を当てている。鹿児島の地方紙「南日本新聞」の大島支社長だった記者、中野惇夫氏は知識ゼロの状態から取材を始め、79年に初めて紙面で一村を紹介している。社内の文化部から相手…

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