メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

北海道の前衛書家がばん馬のしっぽで筆 「予想外の動き」で偶然の線

完成した筆を持つ八重柏冬雷さん。後ろの試作品「前へ」は新型コロナウイルス感染拡大の中、力強く進む思いを表現した=八重柏さん提供

[PR]

 北海道芽室町の前衛書家で毎日書道展審査会員の八重柏冬雷さんが、帯広市の「ばんえい競馬」で知られるばん馬のしっぽの毛で筆を作った。毛の部分だけで長さ約80センチあり、しっぽがそのまま筆になったような出来栄え。八重柏さんは「ばん馬のように力強い線を書きたい」と新たな作品制作に取り組んでいる。

 八重柏さんは2年前、筆の材料集めを知人の獣医師に相談。獣医師は協力を快諾したが、競走馬の毛を切ることは縁起が悪いとされているため、最初は思うように集まらなかったという。そんな中、獣医師が診療を担当する牧場で繁殖用の牝馬が突然死し、飼い主の許可を得てしっぽの毛を八重柏さんに提供。広島県のメーカーに筆の制作を依頼し、約1年半後の今年4月に完成した。

 筆に使われる毛はヤギやタヌキ、鹿などさまざまあり、馬の毛は最も一般的な素材の一つだが、通常はほとんどの毛が北米などからの輸入物で、ばん馬の筆は「聞いたことがない」(八重柏さん)という。今回の筆は素材を生かすため、提供された毛をほとんどそのまま使用し、毛先もあえて不ぞろいにした。

 八重柏さんは現在、新しい筆による作品を試作中だ。ばん馬の毛はこしが強く、力強さを感じるという。八重柏さんは「今までやったことがないことに挑戦したかった。筆が長く予想外の動きをするので、偶然に生まれる線が多い。やればやるほどおもしろい」と話す。完成した作品は、年末に帯広市で開催予定の「奎星会おびひろ」の展覧会などで発表する予定だ。【今井美津子】

おすすめ記事
広告
毎日新聞のアカウント
ピックアップ
話題の記事

アクセスランキング

毎時01分更新

  1. 米雇用改善 トランプ氏、死亡した黒人男性にとって「素晴らしい日」と発言 非難噴出

  2. 家計支えるのに給付金の対象外…困窮する定時制の高校生 「1日1食の日も」

  3. やっぱり新型コロナ危険因子だった喫煙、肥満 「足の赤いあざ」が示す感染の疑い

  4. 「民度が違う」発言で麻生氏がさらした決定的な事実誤認とは

  5. 法務省「黒川氏の退職、捜査に支障ない」 定年で「重大な障害」だったのでは?

編集部のオススメ記事

のマークについて

今週のおすすめ
毎日新聞社は、東京2020大会のオフィシャルパートナーです