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「書店は豊かさ映す鏡」 存続への緊急支援基金を有志呼びかけ 5月末まで

休業中に本の整理をしている中田茂美さん(右)と俊昭さん=三重県名張市中町で2020年5月15日午後2時38分

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 新型コロナウイルスの感染拡大で存続の危機にさらされる書店を支援しようと、書店員や編集者などの有志がクラウドファンディング「ブックストア・エイド基金」への協力をインターネットなどで呼びかけている。基金への寄付金は参加書店に分配され、協力者には独自の「図書券」などの返礼を届ける。有志らは「書店を存続させる緊急支援をしたい」と話す。募集は5月末まで。

 支援対象は新刊・古書の書店で、4月30日から全国の書店への支援を呼びかけた。15日時点の参加書店は93店。三重県内からは名張市の「古書からすうり」と、伊勢市の「ブックカフェ古川書店」、紀北町の「BUMBLE BEE BOOKS」が参加している。翻訳者の柴田元幸さんや小説家の小川洋子さんらさまざまな分野で本に関わる人たちが賛同し、「本との出会いの最前線を、守りたい」(作家・古川日出男さん)などと応援の言葉を寄せた。

 寄付は1口3000円からの計3コースを用意。金額によって、お礼のメッセージや図書券など異なる内容の返礼を届ける。

 基金事務局によると、これまでの寄付額は3300万円を超えた。「書店は世界の豊かさを映す鏡で、かけがえのない出会いを読者にもたらす。書店を助けるきっかけを作りたい」としている。

基金に勇気 古書店営む夫婦

  「基金への参加を機に他の書店とつながりができ、現状に立ち向かう勇気が湧いた」。古書からすうり(名張市中町)の店主、中田茂美さん(52)は、基金に励まされている。

 小学校6年から名張市に住み、青年海外協力隊の活動などを経て、同店を開いたのは2017年。築134年の町家を店舗兼自宅に改修し、夫の俊昭さん(45)と古書店とカフェを営んでいる。本について客と語り合ったり、催しを開いたりと忙しく過ごしてきた。

 今春、新型コロナウイルスの感染拡大が報じられる中、本の力を改めて感じた。20世紀のスペイン風邪やコレラなどの感染症の猛威を伝えた本を通じ、当時の人の思いや行動に触れた。「新型コロナウイルスで困難な状況に陥った今、どう生きるか。本は頼りになる存在」と再認識した。

 一方で、国内外で人々が外出を控え、店の営業自粛の動きが広がった。中田さんも悩んだが、「うちは家賃などの支出が不要で、休業しても何とか持ちこたえられる」と判断し、3月30日から休業した。各地で開かれていた古書店の在庫交換会も中止となり、中田さんは店で本の整理などに取り組んでいる。

 ブックストア・エイド基金の公募は、県外の書店仲間から聞いた。中田さんは分配金は受け取らないが、参加店で使える図書券などのコースに協力する。「書店はどこも危機的な状況。何もできない自分がもどかしかったが、基金への参加を通して書店を守ることに関われたら」と話す。【久木田照子】

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