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大阪モデルの基準一部変更 休業再要請指標 本来「黄信号」も条件緩和

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 大阪府は23日、新型コロナウイルス対策で再び休業を要請する際の独自基準「大阪モデル」について、基準を一部変更した。24日に感染経路不明者数がゼロでも基準の一つを上回ることが確定し、本来は注意喚起を呼びかけるルールだった。しかし、府は「感染状況が落ち着いており実態に合っていない」として、急きょ基準変更に踏み切った。

大阪府庁=大阪市中央区大手前で2019年2月25日、芝村侑美撮影

 大阪モデルは5日、感染症の専門家も交えた対策本部会議での協議を経て策定された。医療体制の維持と経済対策の両立を目指す吉村洋文知事の肝いり政策で、要請の解除と再要請に向けた基準を明示した。

 基準変更は23日夕、報道各社に対する広報文で公表されたが、吉村知事や府幹部が記者会見で詳しい理由や変更の決定過程を説明することはなかった。

 再要請を巡っては、いずれも直近7日間の平均で①新規の感染経路不明者数が前週比で増加か同一(1・0倍以上)②感染経路不明者数(5人以上)③新規PCR検査数に対する陽性率(7%以上)――の3指標と各基準が示されている。

 府は全ての指標で基準を下回れば、要請解除が進んでいる「緑信号」状態と説明。一つでも達すれば府民に注意を求める「黄信号」、全て達した時は「赤信号」を宣言して再要請を決定するとしていた。

 府健康医療部などによると、23日は経路不明者の前週比は0・91倍で基準を下回ったが、24日は経路不明者がいない場合も1・43倍になり基準に達する。ただ、この2週間は経路不明者数が1日あたり1・5人と、これまでにない低水準で推移。この指標は前週の経路不明者数で仮にゼロが相次ぐと、翌週の不明者が少数でも基準に達しやすくなるなどの問題点を抱えており、変更が必要だと判断したという。

 今後は経路不明者の前週比のみ基準に達しても「黄信号」とせず、「緑信号」のままにする。他の2指標が一つでも達した場合は、従来のルールを踏襲する。府の担当者は「再要請に関する3指標の妥当性は、6月中に専門家の意見を聞くことになる」と説明した。

 吉村知事は22日夜、記者団に「感染状況が落ち着いている中で、黄色は『危険なのか』と誤ったメッセージを発することになりかねない」と述べ、基準の変更を示唆していた。【石川将来】

会見なし 知事の説明責任に疑問の声

 23日夕に急きょ発表された「大阪モデル」の基準変更。吉村洋文知事は策定を主導した独自基準の妥当性を全国に発信してきたが、この日記者会見を開かなかった。重要政策を協議する新型コロナウイルスの対策本部会議も開催されず、「情報公開の重要性」を繰り返す知事の説明責任を疑問視する声も上がっている。

 「①(経路不明者の前週比が1・0倍以上)のみ満たした時は『黄』信号をともさない運用と致します」。吉村知事は23日夕、自身のツイッターにこう投稿したものの、基準変更の決定過程や詳しい判断理由は言及しなかった。府の担当者は「感染状況が落ち着いている実態に合わせた変更」と説明し、会見を見送った理由を明確に説明しなかった。

 「府がどういうことを考えて、進めているのか情報発信することが非常に重要」。府への緊急事態宣言解除を控えた20日の記者会見で、吉村知事は情報公開の重要性をこう強調した。

 対策本部会議は常に公開し、議論の過程もオープンにしてきた。「大阪モデル」も分かりやすさにこだわり、指標と基準を明確に示した経緯がある。また、重要な政策決定は感染症の専門家も交えた対策本部会議に諮ってきたが、今回は内部の調整だけで決めた。

 府の専門家会議委員も務めるりんくう総合医療センターの倭(やまと)正也・感染症センター長は、経路不明者の前週比に関する指標について「感染者0人が続いても基準を超えることを想定し、専門家らの意見も聞いて基準を定めた方が良かった」と注文を付けたが、「感染が落ち着いている現状を踏まえた基準変更は問題ない」と理解を示した。

 一方、ジャーナリストの大谷昭宏氏はテレビ出演などで情報発信を続ける吉村知事の対応を評価した上で、「都合の悪いこともカメラの前で説明すべきだった」と指摘。「黄信号はただの注意喚起。無理やり基準を変更するのではなく、府民との約束としてありのままを示した方が警告になったのでは」と疑問を呈した。民主系会派に所属する野々上愛府議は「専門家会議や対策本部会議を経て基準を変えなければ恣意(しい)的な運用になる。大阪モデルそのものへの信ぴょう性の低下にもつながる」と批判した。【近藤諭、津久井達】

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