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ワクチン、自国優先の開発競争 米中しのぎ、出遅れた日本 新型コロナ

モデルナが開発している新型コロナウイルスワクチンの臨床試験での投与=米ワシントン州シアトルで2020年3月、AP共同

 新型コロナウイルス感染収束に向けた切り札となるワクチンの開発や供給の国際競争が、米中を中心に激しさを増している。早期の開発は経済の復興に不可欠だが、安全性や有効性の確認が軽視される懸念もある。

 「(開発競争で)最初にゴールした国が最初に経済とグローバルな影響力を回復する」。米食品医薬品局(FDA)のゴットリーブ元長官は米紙ウォール・ストリート・ジャーナルへの寄稿で強調した。同氏は開発に成功した国は自国民への接種を優先し、供給体制で国際協力があっても世界全体に必要量が行き渡るには数年かかると推測する。

 世界保健機関(WHO)の集計によると、世界では124のワクチン候補の研究が進み、10種類がヒトを対象にした臨床試験(治験)の段階に入っている。主導権を争うのは米国と中国だ。

 米国ではバイオ企業モデルナのワクチン候補が先頭を走る。FDAは12日、同社を早期実用化に向けた優先審査対象に指定した。

 一般的に治験は安全性、有効性の確認のため3段階で進められる。同社のワクチン候補は当局から第2段階の試験開始を承認され、夏に最終段階に入る道筋を描く。

 米政府は、官民を総動員する「ワープスピード作戦」と呼ぶ開発計画で100億ドル(約1兆700億円)の予算を確保。有望と判断した国内外のワクチン候補には、薬事承認前の治験の段階で企業の製造体制を支える。トランプ米大統領は15日の記者会見で「できれば年内に(ワクチンが)手に入るようにする」と強調した。

 中国では五つの研究グループが治験を進めている。軍の学術機関「中国軍事科学院」を中心とする研究グループは22日付の英医学誌に途中経過を発表。治験の第1段階で、安全性を確認したとしている。中国疾病対策センターの高福(こうふく)主任は23日、香港メディアの取材に「年末前に緊急状況下のワクチン使用ができる可能性がある」と述べた。李克強首相は22日の全国人民代表大会で、1兆元(約15兆円)の特別国債を発行し、ワクチン開発を含めた感染症対策費に充てる方針を明らかにした。

 通商問題などで激化した米中間の対立も、開発競争に影を落としている。米連邦捜査局(FBI)は13日、中国政府と関係するハッカーらが米国のワクチン開発の研究データなどを盗もうとしているとして、研究機関や企業に警戒するよう勧告した。これに対し、中国外務省は14日、「世界で最もハッキングしているのは米国だ」と反論した。

 開発が成功しても供給体制が整う保証はない。量産設備を持つのは…

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