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社説

訪日外国人の激減 新たな観光モデル作ろう

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 新型コロナウイルスの感染拡大で、4月の訪日外国人が初めて3000人を割り込んだ。政府は2020年に4000万人の外国人旅行者を受け入れる目標を掲げるが、実現は不可能だ。インバウンド政策は見直しを迫られよう。

 政府は現在、感染封じ込めのため、100カ国・地域からの入国を拒否している。水際対策の緩和は、世界的なコロナ禍の収束にあわせて慎重に進めるべきだ。

 海外旅行の本格的な再開は、ワクチンや治療薬が開発されてからになるだろう。その後も旅行を控える動きが続く可能性がある。需要の長期低迷やニーズの変化への対応が不可欠だ。

 例えば、高い水準の衛生環境を求める旅行者は増えるはずだ。感染リスクを抑えるために、宿泊施設には、食事のビュッフェ形式を避けたり、浴場の入場者数を制限したりといった対応が求められる。消毒の徹底も欠かせない。

 採算との兼ね合いが難しいが、安心して旅行を楽しむ「日本発」のモデルを提案してほしい。

 業界団体はこうした対策をガイドラインにまとめた。外国人旅行客に理解してもらうには、多言語表記やピクトグラム(絵文字)の活用を広げることが有効だ。

 観光客が増えて騒音などが問題になるオーバーツーリズムを解消する契機にもしたい。

 世界文化遺産の岐阜県・白川郷では昨年、一部の見学を予約制にし、混雑を緩和することができた。他者と適切な距離を保つことにもつながる。

 携帯端末で混雑状況を把握し、すいている観光地に誘導するサービスの活用も進めるべきだ。

 感染が収束しても、訪日外国人を迎える環境が整うまでは、国内旅行を徐々に回復させながら観光産業を支えることになるだろう。

 政府は今年度補正予算に旅行需要喚起の事業費を計上した。ただ、急に拡大すると観光地が混雑し、感染リスクが高まりかねない。

 観光客が一時期に集中するのを避けるためにも、企業や官庁は働き方を見直し、従業員が休みを分散して取れるようにしてほしい。

 年間を通して需要が一定になれば、収益改善にもつながる。コロナ後の社会の変化を展望し、観光産業を強化する改革が必要だ。

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