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読書日記

今週の筆者は情報学者・西垣通さん 人間の尊厳につながる自由

西垣通 情報学者 東京大名誉教授=東京都文京区で2019年11月7日、藤井太郎撮影

 *4月21日~5月25日

 ■新実存主義(マルクス・ガブリエル著、廣瀬覚訳・2020年) 岩波新書・880円

 ■「私」は脳ではない 21世紀のための精神の哲学(マルクス・ガブリエル著、姫田多佳子訳・2019年) 講談社選書メチエ・2310円

 新進気鋭のドイツ観念論の論客として、ガブリエルの評判は近年ますます高い。私は以前、同じく新実在論を説くカンタン・メイヤスーとともに、その著書を本欄で紹介したことがある。今回の二冊はさらに、もう一歩踏み込んだ感じがする。

 まず、「新実存主義」というタイトルにあっと驚く。サルトルやボーヴォワールの実存主義哲学は、私のような世代には忘れがたいものだ。だが、一九六〇年代のサルトルとレヴィ=ストロースの論争は、政治的な実存主義に終止符を打ってしまったはず。自由に決断し未来を切り開く存在こそ人間だと見なすサルトルに対し、人間は社会的・文化的な「制約=構造」のもとにあると主張したのがレヴィ=ストロースであり、サルトルはその軍…

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