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記者の目

コロナ後の欧州 経済も「脱炭素」も 「緑の復興」高まる機運=八田浩輔(ブリュッセル支局)

一般車道にコンクリートブロックを設置して新たに作られた自転車専用道。公共交通と自家用車の利用を減らして感染防止と環境対策の両立を目指す=ブリュッセルで2020年5月20日、八田浩輔撮影

 新型コロナウイルスの出現で、私たちの暮らしは大きな変化を迫られた。刻下の危機を収束させた後の社会をどう形づくるか。それを考える上で忘れてはいけないのは、人類が直面するもう一つの危機、気候変動だ。欧州では大きなダメージを受けた経済の立て直しと脱炭素社会への移行を両立させる「グリーン・リカバリー」(緑の復興)を求める動きが加速している。

 フランス政府は、航空大手エールフランスKLMの救済条件として、国内線の二酸化炭素(CO2)排出量を2024年までに5割削減するよう提案した。運行時のCO2排出が少ない高速鉄道と競合する近距離線の減便を迫る大胆な内容だ。都市も思い切った施策を打ち出している。私が暮らすブリュッセルのほか、ロンドン、ミラノなどでは市街地の一般車道を自転車専用道に転換する計画が進む。主な目的は公共交通の利用客を減らして市中の感染リスクを下げることだが、同時に自家用車の交通量も減らして大気汚染物質とCO2の排出低減につなげる「一石二鳥」を狙ったコロナ後のまちづくり計画だ。

 新型ウイルスの犠牲者は世界で30万人を超え、国際労働機関(ILO)は労働者の半数近くに相当する16億人が生計を失う危機に瀕(ひん)していると推定する。欧州でも失業者や大きな影響を受けた個人事業主、中小企業の支援と安定は最優先事項だ。ともすれば「気候変動どころではない」との声が高まってもおかしくない。実際に産業界には環境規制の緩和を模索する動きもあるが、ドイツのメルケル首相は「(コロナ後の)景気刺…

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