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社説

黒川氏の訓告処分 多くの疑問が残っている

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 賭けマージャンをして東京高検検事長を辞職した黒川弘務氏に対する訓告の処分について、軽すぎるとの批判が出ている。

 国家公務員法の懲戒処分ではなく、法務省の内規に基づくものにとどまったからだ。

 法務省は過去の例を参考に決めたと説明している。1回にやりとりされた現金1万円から2万円程度は、必ずしも高額とはいえないと判断した。

 しかし、金銭を賭けたマージャンは賭博罪に問われる可能性もある。人事院の指針は、賭博をした職員は減給か戒告の懲戒処分にすると定めている。

 黒川氏は、刑事訴追の権限を原則独占する検察のナンバー2だった。しかも、新型コロナウイルスの緊急事態宣言が出ている最中に不祥事を起こした。処分は、こうした点も考慮すべきだ。

 法務省の調査では、賭けマージャンは約3年前から月1、2回程度行われていたが、詳細は不明のままだ。追加調査の必要がある。

 処分を決めた過程にも疑問がある。森雅子法相は当初、最終的に任命権者の内閣が決定したと述べた。安倍晋三首相は、法務省の意見を基に検事総長が処分して、それを了承したものだと語り、両氏の発言に食い違いが見られた。

 法務・検察内部には、懲戒処分にすべきだったとの声がある。訓告処分にとどめたのは、首相官邸の判断ではないかと、野党は追及している。

 黒川氏の定年延長を決めた経緯についても首相は、法務省、検察庁の人事案を最終的に内閣として認めたものと強調している。

 だが、法務・検察は当初、黒川氏の定年退官を前提にした人事を検討しており、事実関係は異なる。こうした首相の説明ぶりは、責任逃れに映る。

 首相は今回の処分や定年延長について、自分に責任があると語った。ならば、どう受け止めて対応していくかを示すべきだ。

 稲田伸夫検事総長も謝罪のコメントは出したが、事態の深刻さからすれば、記者会見して処分の経緯を含め説明する必要がある。

 黒川氏の定年延長に端を発した問題には、多くの疑問が残っている。明らかにしない限り、検察への国民の信頼は回復できない。

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