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特集ワイド

コロナ後のコンビニ、どうなる ローソン・竹増貞信社長に聞く 「一律」から「店ごと」重視へ

リモートインタビュー後、数分間だけ撮影に応じた竹増社長=東京都品川区で25日、北山夏帆撮影

 コロナ禍の下、生活インフラとして見直されたのがスーパーなどの小売業だった。緊急事態宣言が25日に全面解除され、「コロナとの共生」が避けられない中、小売業も新たな局面に入る。昨年来、24時間営業の問題で注目を集めたコンビニエンスストアはどう進むのか。大手の一角であるローソンの社長、竹増貞信さん(50)を直撃した。

 人影まばらなローソンの本社(東京都品川区)を訪ねたのは宣言が解除された日の昼過ぎ。通された応接室と社長室とをインターネット回線でつなぎ、マスクをつけたうえでのインタビューを行った。密室で賭けマージャンを楽しんだという前東京高検検事長の「緩さ」に比べ、民間企業のリスク管理は涙ぐましいほどに徹底している。

 コロナによる経営への影響を尋ねると、竹増さんは淡々と語った。「3月後半から、人が生活する場がガラッと変わりました。多くの人が外出を控え、朝昼晩と3食を家で食べるようになった。その結果、住宅地の店の売り上げは伸び、都心や繁華街の店はもう激減です。ローソンの店は都心や繁華街に多いため、全体に大きく響きました」

 4月の既存店売上高は前年同月比11・5%減で、データを公開している2000年3月以来最大の減少幅。客数も19・3%減と2桁も落ち込んだ。5月も同じような苦境だという。

 ただ、「この2カ月の最大の問題は売り上げ減ではありません」と竹増さんは強調する。

 11年の東日本大震災を機に、お年寄りや女性など幅広い人がコンビニを利用するようになった。被災して困った時でも素早く店を開けたことで、コンビニの信頼が高まったためだ。

 「私たちの役割はお客様に必要な物を提供し、その生活を支えることです。東日本大震災、熊本地震などを通じ、災害直後でも店を開ける経験は積んできましたが、今回は状況が違った。物理的に店を開けることはできても、目に見えないウイルスからお客様やクルー(店員)を守らなければならなかったからです」

 マスクや消毒液がなくて苦しんだのはコンビニも同じだった。感染の危険にさらされ、店員のストレスはいや応なく膨らむ。それでも店を開けるのが使命だ。竹増さんは全国の店舗オーナーらとオンラインで密接に連絡を取り合い、対策を話し合った。感染のリスクが高いトイレやゴミ箱の使用を禁止したり、レジにビニールカーテンを設置したりと、効果が見込めそうなことはどんどん取り入れた。

 「安全安心の確保に腐心した、今まで経験したことのない闘いでした。結局、店を開け続けることができたのは、現場のクルーやオーナーたちの尽力のおかげです。今は感謝しかありません」。ネット回線越しの声がちょっと震えて聞こえた。厳しい試練だったのだろうと身につまされた。

 コンビニ業界では昨春以降、全国一律で実施されてきた24時間営業への批判が高まった。人手不足から働き手が確保できず、疲弊した店主らが悲鳴を上げたのがきっかけだ。ローソンは既に時短営業の取り組みを進めていたが、さらに周知を図り、各社も見直しに動き出した。

 その人手不足はコロナで一変したという。「今年の年明けぐらいまでは何回も広告を出し、たくさんのお金をかけて募集しても、一人も集まらないことが多かった。それが最近は求人を1回出すとすぐ30人は集まる。広島の新店では1回の募集に約60人が応募しました」

 外食産業や旅行業界をはじめ、あらゆる職場で居場所を失った人が働き口を求めているのだ。こうした動きは、業界で始まった24時間営業の見直しに影響するのだろうか。

 「そもそも24時間営業の問題の根は…

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