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菌やウイルスが存在する時、それらを死滅させるのに必要な量の二酸化塩素の成分を生成する水溶液が、新型コロナウイルスにも有効であると大阪大などのチームが確認した。水溶液は二酸化塩素に変化する亜塩素酸イオンが主成分。既存の塩素系消毒剤と比較して安全性が高いといい、98%以上のウイルスが増殖しなくなったという。
この水溶液を用いた除菌・消臭剤は「MA―T」の名称で「エースネット」(東京都)が開発し、国内の航空機や羽田空港のトイレなどで使われている。塩素を使った消毒剤には次亜塩素酸水や二酸化塩素ガスがあるが、安全性に課題があった。MA―Tは無臭で、ガスが発生せず低濃度でも効果があるという。これまでに、SARSウイルスなどにも効果があることが分かっている。
阪大は研究成果を元に、4月、タイでの使用を目指して日本医療研究開発機構の公募事業に手を挙げた。阪大の学内保育園で4月中旬から導入しているほか、阪大病院での噴霧機導入も検討しているという。阪大薬学研究科の井上豪教授(構造生物学)は「院内感染が増えているが、病院で広く使われ、医療従事者を守ることで、感染拡大防止の一助となれば」と話している。【松本光樹】