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よみがえる田中正造

死の川に抗して/16 法廷であくび官吏侮辱罪=中村紀雄 /群馬

小口一郎「谷中村買収と強制家屋破壊」(版画集「野に叫ぶ人々」より)

 「逃ぐる敵を追うは戦場に於(お)ける勇者の恥なり。まして鉱毒被害民は警官の仇敵(きゅうてき)にあらざるなり。故に警察官が解散執行後にとるべき職務は本然の懇篤親切に立ち返りて、彼ら人民をして平和に其(そ)の家に行かしむるにあり。しかるに当時、警官ははなはだ不穏不当なものであった」

 「鉱毒飛沫(ひまつ)」で木下尚江はこのように書き、その例を挙げる。「被害民が利根河畔より解散せられて帰途につくや、多くの警官は追尾し、被害民をあるいは罵倒し、あるいは突きやり、はなはだしきは帯剣をもって乱打せり。また被害民が帰途雲龍寺に立ち寄っていると、館林警察署長は巡査を引率してやって来て、腕力をもって人民を引き出し、乱打した。これは警察の威信に関わる重大な問題なり」

 なお、捕縛された住民は兇徒聚衆罪(きょうとしゅうしゅうざい)(現刑法の騒乱罪に相当)で起訴され、訴訟の舞台は前橋地裁であった。住民が凶徒として裁かれることに荒畑寒村は「谷中村滅亡史」で次のように叫んだ。

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