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社説

国の困窮学生支援 一時しのぎにせぬように

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 新型コロナウイルスの影響で困窮する学生に対する政府の支援策が決まった。給付金が柱で、1人につき10万~20万円が支給される。総額で約530億円になる。

 対象は全国の大学、大学院、短大、専門学校などに通う学生だ。学生団体の調査では、家計の悪化やアルバイト収入の大幅な減少で約2割の学生が退学を検討している状況だという。迅速に支給の手続きを進めてほしい。

 ただ、受給には、自立してアルバイト収入で学費を賄っているなどの要件がある。対象として約43万人を見込むが、国内の全学生数から見れば約1割にとどまる。学生団体からは「対象が狭すぎる」と不満の声が上がっている。

 外国人留学生への支援はさらに限定される。「学業成績が優秀」という日本の学生にはない条件が課された。留学生は母国に帰るケースが少なくない。文部科学省は「日本に将来貢献するような有為な人材に限る要件を定めた」と説明している。

 政府は「留学生30万人計画」を掲げ、積極的な受け入れを図ってきた。日本の学生との間で差をつけるのは、国際化に逆行する考え方ではないか。

 学校が学生の申請を受け、国側へ推薦する仕組みも問題をはらんでいる。学校ごとに推薦枠が設定してあり、申請が枠を超えた時は困窮の度合いなどを比較して選考するよう求めているからだ。

 最終的には学校が学生の実情を総合判断して推薦を決める。だが、一つの学校で申請者が多い場合、要件を満たしていても受給できない学生が出る恐れがある。

 このほか、今年度の2次補正予算案では、独自に授業料を減免した大学などへの助成に約150億円が計上された。ただ、減免は学校の判断によるため、通う学校によっては必要な学生に支援が届かないケースも生じるだろう。

 日本は諸外国と比べ、大学など高等教育に対する公的支出の割合が低い。このため、授業料が高額となり、家計の大きな負担となっている。学生の経済基盤は不安定さを増している。

 若者の学びを守ることは未来への投資となる。一時しのぎの給付で終えることなく、手厚く息の長い支援をしていくべきだ。

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