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内田麻理香・評 『専門知を再考する』=H・コリンズ、R・エヴァンズ・著、奥田太郎・監訳

『専門知を再考する』

 (名古屋大学出版会・4950円)

 新型コロナウイルスの問題が拡大する状況下、専門家という存在が従来よりも注目されている。本書は、科学技術に関わる意思決定に、誰が関わるべきかの論争に対し、「そもそも、専門知とは何か」という問いを立て検討する。専門知や専門家を冷静に判断するための助けになる一冊だ。

 著者は、科学技術ポピュリズムの立場や、科学技術の専門家の特権性を称揚する立場の両極に振れることはしない。信頼しうる専門知の成立条件を精査し、「民衆の知恵」と専門知の境界線を引き直そうとする。

 特定分野の専門知については、五段階の梯子(はしご)がある。最も下位の「ビアマット知識」は、雑学クイズに正答するたぐいの知識だ。次の「科学の通俗的理解」は、「抗生物質はウイルス感染症を治さない」などの科学的知識の理解を指す。この知識は当該科学の議論に論争がある場合は、その主題を把握できないため、この理解のレベルにある者が専門的な判断を下しても、拙劣なものになる。次に、一次文献などを読んで得られる「…

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