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匿名の刃~SNS暴力考

背景に義憤や嫉妬 安全な場所からたたく ネットめぐる訴訟手がける深沢諭史弁護士

深沢諭史弁護士=東京都内で2020年5月27日午後5時17分、五味香織撮影

 SNS(ネット交流サービス)を介した誹謗(ひぼう)中傷や失言は、当事者の有名無名を問わずトラブルのきっかけとなる。投稿によって傷ついた受け手が被害を回復しようと思っても、その手続きは煩雑だ。ネットをめぐる訴訟を数多く手がけている深沢諭史弁護士に、SNS上のトラブルの現状と課題を聞いた。【五味香織/統合デジタル取材センター】

 ――人気番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(22)が急死しました。SNS上の誹謗中傷に悩んでいたとされています。

 ◆起きるべくして起きたことだと思います。表に出ていないだけで、これまでも似たようなことがあったのではないでしょうか。誹謗中傷によるストレスや苦しみが積もって、むちゃな薬の服用や深酒などを引き起こして死に至れば、それもネットによる殺人だと言えるでしょう。

 SNSへの投稿は感情があらわに表現され、受け手に直接届く仕組みです。かつては著名人に悪い感情を抱いても、直接ぶつける方法はなかった。電話番号も分からないし、手紙はマネジャーなどが事前にチェックするので、本人に届くまでの垣根やフィルターがありました。

 ――木村さんへの誹謗中傷は、「リアリティーショー」と呼ばれるテラスハウスでの言動がきっかけで始まりました。

 ◆テレビや映画で悪役を演じた人が非難される例は以前からあり、海外では引退に追い込まれたケースもあります。演じた役と出演者自身が混同されてしまうのです。テラスハウスはリアリティーがある作りで、出演者個人の性格を表に出す番組でもあります。視聴者から現実のように感じてもらうことを狙ったものでした。

 アイドルが現実世界で恋人の存在が発覚すると活動自粛を余儀なくされるなど、一般の人にとって著名人との距離が近くなりすぎて…

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