背景に義憤や嫉妬 安全な場所からたたく ネットめぐる訴訟手がける深沢諭史弁護士
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SNS(ネット交流サービス)を介した誹謗(ひぼう)中傷や失言は、当事者の有名無名を問わずトラブルのきっかけとなる。投稿によって傷ついた受け手が被害を回復しようと思っても、その手続きは煩雑だ。ネットをめぐる訴訟を数多く手がけている深沢諭史弁護士に、SNS上のトラブルの現状と課題を聞いた。【五味香織/統合デジタル取材センター】
他にも死亡者いるのでは
――人気番組「テラスハウス」に出演していたプロレスラーの木村花さん(22)が急死しました。SNS上の誹謗中傷に悩んでいたとされています。
◆起きるべくして起きたことだと思います。表に出ていないだけで、これまでも似たようなことがあったのではないでしょうか。誹謗中傷によるストレスや苦しみが積もって、むちゃな薬の服用や深酒などを引き起こして死に至れば、それもネットによる殺人だと言えるでしょう。
SNSへの投稿は感情があらわに表現され、受け手に直接届く仕組みです。かつては著名人に悪い感情を抱いても、直接ぶつける方法はなかった。電話番号も分からないし、手紙はマネジャーなどが事前にチェックするので、本人に届くまでの垣根やフィルターがありました。
演じる役と出演者自身を混同
――木村さんへの誹謗中傷は、「リアリティーショー」と呼ばれるテラスハウスでの言動がきっかけで始まりました。
◆テレビや映画で悪役を演じた人が非難される例は以前からあり、海外では引退に追い込まれたケースもあります。演じた役と出演者自身が混同されてしまうのです。テラスハウスはリアリティーがある作りで、出演者個人の性格を表に出す番組でもあります。視聴者から現実のように感じてもらうことを狙ったものでした。
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