特集

日米地位協定

在日米軍に対する特別待遇を定め、さまざまな問題を生む元凶ともされる日米地位協定。見直しを求める声が広がっています。

特集一覧

特権を問う

「日本人の命は軽いのか」反対住民はねた米軍属は免停4カ月 不起訴、無念の死

  • はてなブックマーク
  • メール
  • 印刷
米軍岩国基地を離着陸する米軍機の現状などについて報告を聞く住民ら。集会には以前、米軍属による事故で亡くなった男性も参加していた=山口県岩国市牛野谷町で2020年3月1日、桐野耕一撮影
米軍岩国基地を離着陸する米軍機の現状などについて報告を聞く住民ら。集会には以前、米軍属による事故で亡くなった男性も参加していた=山口県岩国市牛野谷町で2020年3月1日、桐野耕一撮影

 山口県岩国市で2010年、米軍岩国基地の増強に伴う米軍住宅の建設に反対していた当時66歳の男性が、米軍属の運転する車にはねられて亡くなった。軍属は公務中だったことを理由に日米地位協定に基づいて不起訴になり、4カ月の免許停止という軽い処分に終わった。事故の真相を知りたいと遺族が起こした民事裁判にも帰国して出廷しなかった。遺族や反対運動をしていた仲間は10年たった今も「日本人の命が軽視されている」と憤る。

 「これが現在基地に離着陸している米軍機です」。3月1日、岩国基地が見える高台の広場で、撮影した住民が写真を手に説明していた。基地は米軍再編で極東最大級となる約120機の米軍機が配備され、軍人や家族の住宅が基地の外にも整備された。この日集まったのは米軍住宅が整備された地域の住民ら約30人。10年前から騒音問題や基地の現状を語り合っている。

 集会の世話人で元岩国市議の田村順玄(じゅんげん)さん(74)は事故で亡くなった男性について「自治会長として米軍住宅の建設反対運動に積極的で、署名活動や始めたばかりのこの集会にも参加していた」と振り返り、「日本での運転に慣れない米軍関係者が地域に増えて事故が増加するのを懸念していた。自身が事故で亡くなり、さぞ無念だったろう」と語る。

 事故は10年9月7日午前7時過ぎ、男性宅の北約150メートルで起きた。市道を横断中に米軍属の女性(当時32歳)が…

この記事は有料記事です。

残り1448文字(全文2045文字)

【日米地位協定】

時系列で見る

次に読みたい

あわせて読みたい

注目の特集