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社説

コロナと気候危機 エコの視点で経済回復を

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 各国がコロナ禍からの経済回復を模索する中、エネルギー政策の転換や地球温暖化防止の観点を取り入れる動きが欧米を中心に出てきた。「グリーン・リカバリー(緑の復興)」と呼ばれる。

 仏政府は、苦境に陥った航空会社の支援に際して、環境にやさしい燃料の導入や、鉄道での代替が可能な近距離便の削減を求めた。米国では主要企業300社以上が、気候変動対策を重視した経済復興策を議会に要求している。

 温暖化は人類共通の危機だ。猛暑や豪雨などが増える。干ばつや水害で多くの人がすまいを失い、難民が紛争の火種を生む。感染症を媒介する蚊の分布域が拡大するとの予測もある。

 世界では、コロナ禍の影響で温室効果ガスの排出量が減少している。国際エネルギー機関は、今年の世界の二酸化炭素排出量が前年を8%下回ると推計した。

 地球環境にとってはいいことだが、深刻な経済危機と引き換えでは、手放しで喜べない。

 温暖化を防ぐため今年始動したパリ協定は、先進国、途上国の区別なく「産業革命以降の気温上昇を2度未満に抑える」ことを目指している。

 各国の温室効果ガス削減目標を足し合わせても達成は不可能で、さらなる上積みが欠かせない。

 だが日本は目標を据え置いたままだ。温暖化を進める石炭火力発電に依存する姿勢は国際的な批判を浴びている。

 コロナ対策で政府は、230兆円規模の経済対策を打ち出した。安倍晋三首相は「経済再生こそが一丁目一番地だ」と意気込む。

 経済対策にグリーン・リカバリーの考え方を取り入れるべきだ。コロナ禍で、効率と利益を過剰に求めるグローバル経済の弊害が浮き彫りになった。旧来の常識が問い直されている今は、世界を変えるような大変革が生まれる好機ともいえる。

 温暖化防止に資する発想や技術を支援し、新たな雇用や市場を創出することは合理的、倫理的で、世界の要請にもかなうだろう。

 国連のグテレス事務総長は「より安全で健全で、抵抗力のある世界を創造しよう」と呼びかけた。コロナ禍の教訓を、よりよい地球の実現につなげたい。

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